○大仙市子ども条例

平成26年3月19日

条例第16号

子どもは、一人一人がかけがえのない存在であり、大きな可能性を秘めている。

子どもが、大仙市の豊かな自然の中で、先人のたゆまぬ努力によって培われた伝統や文化を守り、人々との触れ合いを大切にしながら、次代を担う若者へと心豊かにたくましく健やかに成長することは、全ての市民の願いである。

子どもを健やかに育むためには、全ての市民が児童の権利に関する条約に定められた子どもの権利を尊重し、いじめ、児童虐待、不登校、引きこもり等の多様な問題から子どもを守るとともに、地域社会が一体となって支え合い、子育てに適した環境を整えなければならない。

ここに、「支え合い、ともに生きる健やか安心大仙」の実現を目指し、子ども及び子育て支援に関する施策を総合的に推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、子ども及び子育て支援に関する市の責務並びに保護者等の役割を明確にし、地域全体で子どもを健やかに育むための施策に関する基本的な事項を定めることにより、子どもの権利が尊重される社会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 子ども 18歳未満の者をいう。

(2) 保護者 親又は親に代わって子どもを養育する者をいう。

(3) 学校等関係者 学校教育法(昭和22年法律第26号)に定める学校及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)に定める児童福祉施設その他それらに準ずる施設の設置者、管理者及び職員をいう。

(4) 地域住民 子どもを取り巻く全ての人をいう。

(5) 事業者 事業を営む法人及び個人をいう。

(基本理念)

第3条 地域全体で子どもを健やかに育むために、次に掲げる事項を基本理念とする。

(1) 子どもの人格や権利を尊重すること。

(2) 子どもの最善を考慮した子育てに取り組むこと。

(3) 市、保護者等がそれぞれの責務又は役割に応じて子育てに主体的に取り組むこと。

(子どもの権利)

第4条 子どもは、次に掲げる権利を有することを尊重されなければならない。

(1) 子どもは、自分を取り巻く人々から温かく見守られ、健康に配慮されるとともに適切な支援を受けることができる。

(2) 子どもは、差別、虐待、放置、体罰、いじめ、不当な干渉等の肉体的及び精神的な苦痛から守られる。

(3) 子どもは、多様な体験の機会が与えられ、知識や経験を得ながら、自分らしく育つことができる。

(4) 子どもは、自分が関わる事柄について、意見を述べること及び参加することができる。

(市の責務)

第5条 市は、子どもの権利を守るため、子ども及び子育て支援に関する施策の推進に努めるとともに、関係する団体及び機関と連絡調整し、相互に連携して子育て支援に取り組む環境を整備するものとする。

2 市は、本条例の目的及び内容を、市民に周知するものとする。

(保護者の役割)

第6条 保護者は、子育ての第一の責任者としての自覚を持ち、子どもの健やかな成長を促すために、次に掲げる役割を果たすよう努めなければならない。

(1) 子どもが安心して過ごすことができる家庭づくりを行うこと。

(2) 基本的生活習慣及び社会のきまりを自ら守りながら、これを子どもに身につけさせること。

(3) 子どもの発達の段階に応じて子どもの権利を守るための支援を行うこと。

(学校等関係者の役割)

第7条 学校等関係者は、学校等が集団生活を通して子どもの豊かな人間性を育む場であることを踏まえ、次に掲げる役割を果たすよう努めなければならない。

(1) 子どもの一人一人の発達の段階に応じて子どもの社会性及び学力の向上を図り、生きる力を育むこと。

(2) 子どもが命の大切さを学び自分及び相手をかけがえのない存在と認識できるよう支援すること。

(3) 子どもが安心して育ち学ぶことができるように、子どもや保護者が相談しやすい環境づくりを進めること。

(4) いじめや虐待等の予防に努めるとともに、関係機関と連携して早期発見及び早期解決を図ること。

(地域住民の役割)

第8条 地域住民は、地域社会が世代を超えて多様な人間関係を築き、子どもの豊かな人間性を育む場であることを踏まえ、次に掲げる役割を果たすよう努めなければならない。

(1) 家庭や学校、医療、福祉、防犯等の関係機関と連携して、安全・安心な地域づくりを推進すること。

(2) 地域行事や体験活動を行い、子どもが地域社会の一員として参加できる場を提供すること。

(3) 地域行事を通じて、地域住民同士の交流を活発に行うとともに、大人と子どもが触れ合う場を提供すること。

(事業者の役割)

第9条 事業者は、労働者にとって子育てに関わりやすい職場環境づくりを進めるため、次に掲げる役割を果たすよう努めなければならない。

(1) 子育て支援制度について理解し、及び労働者に周知するとともに、積極的に活用すること。

(2) 労働者が子育てに関わるための休暇を取得できるよう配慮すること。

(3) 市が実施する施策や地域住民が行う子どもに関する活動へ協力すること。

(子どもの役割)

第10条 子どもは、心豊かにたくましく健やかに成長するため、次に掲げる役割を果たすよう努めなければならない。

(1) 子どもの権利を正しく理解し、自分を大切にするとともに、相手を思いやる気持ちを持ち、相手の権利を尊重すること。

(2) いじめをしないこと。

(3) いじめを受けた又は発見した場合は、保護者又は学校等関係者に報告及び相談をすること。

(4) 市及び学校が開催する子どもに関する事業や地域の行事へ参加すること。

(基本計画)

第11条 市長は、本条例の基本理念を具体的に推進するため、子ども及び子育て支援に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画の策定に当たり、市民の意見を反映させるために適切な措置を講ずるものとする。

3 市長は、基本計画について定期的に評価を行い、必要に応じて見直しを行うものとする。

4 市長は、基本計画の策定及び見直しを行ったときは、速やかに公表するものとする。

(委任)

第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前に次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)第8条第1項の規定により策定された行動計画は、第11条の規定により策定された基本計画とみなす。

大仙市子ども条例

平成26年3月19日 条例第16号

(平成26年3月19日施行)