ふるさとこんにちは

秋田県大仙市公式ブログ

太田地域文化講演会開催

9月13日、太田文化プラザで太田地域文化講演会が開催されました。この講演会は、太田地域自治組織連絡協議会(門脇一男会長)の主催で、太田地域にゆかりのある方を講師に迎え、ふるさと太田の良さを再認識するとともに、地域住民の教養と文化意識の高揚を目的に毎年開催しているものです。

今年は、あきた芸術村民族芸術研究所の理事である茶谷十六氏が「大仙市アーカイブズの夢~ふるさと太田の歴史を通して~」と題した講演を行い、太田中生徒・地域住民など合わせて250人ほどの来場者がありました。img_0946

 

茶谷先生は石川県白山市生まれで、金沢大学卒業後劇団わらび座に入座、民族芸術研究所所長や秋田県歴史教育者研究会会長などの要職に就く傍ら、全国各地や韓国の民族芸能の調査・研究の第一人者として活躍されています。「太田町史」の監修者であり、現在は大仙市公文書館設置懇話会委員として、平成29年5月の「大仙市アーカイブズ」開設に向けご尽力いただいています。img_0949

講演は、先生の「秋田草刈り歌」の歌声で始まりました。インパクトのあるオープニングに続いて、先生の名前の由来や劇団わらび座入座の経緯、太田町史編纂事業への参加、大仙市アーカイブズの概要や事業への参画など、専門的な内容でしたがユーモアを交えて分かりやすくお話しいただきました。

太田町史編纂は、「知りたいことがある。伝えたいことがある。」をスローガンに平成14年に始まりました。地域に伝承されている古文書、写真、音声・映像資料などの悉皆調査を行い、それらをデジタルデータ化して複写・保存するもので、平成19年3月に刊行しました。このやり方は「太田方式」と呼ばれ、現在の大仙市アーカイブズ立案の基礎となっています。img_5276

質疑応答の時間では、太田中学校の女子生徒から「太田町史の中で一番心に残った出来事は何ですか」という質問がありました。茶谷先生は「太田町史の中の『散るぞ悲しき-戦没兵士たちの記録』である。十五年戦争に太田から916人出征しているが、この項に十五年戦争で亡くなった方がた287人全員の名前が載っている。この名簿を見ると、昭和20年8月15日の終戦半年前、もっと詳しく言えば終戦1か月前に亡くなった方が大変多い。戦争が1か月早く終わっていれば、20代の多くの若者が死なずに済んだかもしれない。この若者たちが生きていれば、結婚して子ができ、今この平和な時代を幸せに過ごしていただろうと思うと、絶対に戦争をしてはいけない、とみなさんに強く伝えたい」と語り、その言葉は参加者みんなの心に大きく響きました。

その他にも太中生から「公文書館ができたら積極的に行ってみたい」「太田町史を読んで、太田についてもっと知りたい」「まだまだ太田のことを知らないので、もっと勉強したい」という心強い声もありました。img_0954

 

講演の最後は、来場者全員で秋田県民歌を合唱し、太田の偉人である倉田政嗣を讃えました。img_0962

 

来年の大仙市公文書館開設にむけタイムリーな時期に、アーカイブズの重要性に気づかせてくれる貴重な講演会となりました。

茶谷先生の講演を聞いた今こそ、太田地域の皆さんのご自宅にある「太田町史」を開いてみたらいかがでしょう。普段見る機会はなかなかないと思いますが、身近な歴史を知ることでこれまで歩んできた道のりを振り返る機会にもなりますし、新たな発見をするきっかけにもなると思います。まずは身近なアーカイブズから。「枕」にせずに秋の夜長に「読書」にふけてみませんか?

Posted under: 太田地域

Comments are closed.