10月29日(土)太田支所職員で川口渓谷の「オブ山の大杉」の現地調査に行ってきました。「オブ山の大杉」は樹齢千年以上、幹回りは約12.4メートル、樹高約34メートルの天然杉です。秋田県一の幹回りの太さを誇り、急斜面にしっかりと根をはり、樹幹は2本に分かれた風格ある巨木です。国有林内にあり、次世代への財産として健全な形で残していくべき巨樹・巨木として「森の巨人たち100選」にも選定されています。
現地調査には職員6名が参加、うち5名が「オブ山の大杉」と初対面です。
川口渓谷遊歩道から沢を挟んで対岸のオブ山の稜線に、きれいな三角形が見えますが、それが大杉です。
遊歩道口からゆっくり歩いて10分ほど行くと、案内看板があり、そこから沢へと降りていきます。
橋などはなく、天気が続き川の水が少ない日を狙って長靴でジャブジャブと渡ります。
川を渡りきるとあとはオブ山を登るのみ。そこから標高450メートルほどをつづら折りに登ります。
勾配がきつく足元が滑りやすいところも多いため、ゆっくり休憩を挟みながら30分ほど進むと、どっしりと間違いない存在感を放つ巨木が見えてきます。
「これが、オブ山の大杉!」見た目の大きさと、神々しさに圧倒されます。
思わず手を合わせてから近づくと、改めてスケールの大きさを実感します。全てを見たい!とぐるりと周囲を回ると幹に空洞を発見しました。
ここで、動物たちを休ませるのかもしれないと、大杉のたくましくも優しいたたずまいを感じます。
「オブ山の大杉」は急斜面にあり、表土が流れやすい地形をしていることから、人が近寄ることで根を痛めてしまう可能性があります。今回の調査で、根元に近寄らないように設置されていた木の柵が、雪により倒されていることが判明しました。
また、近くの木が倒れて案内看板を押しつぶしている現状もありました。
大杉と対面することで、大自然が生み出したこの地域の宝を、私たち人間の手で壊すことのないよう大事に守っていきたいと、改めて感じました。
「オブ山の大杉」は大仙市の市指定文化財にも登録されています。
来春また会いに行こうと、調査に向かった職員全員が思いました。それまでに、市の職員として、防護柵と案内看板を直すための準備に努力したいと思います。