11月2日、岩手県大槌町から大槌学園9年生87名が太田中学校を訪れ、生徒同士が交流を深めました。
大槌学園は小中一貫の義務教育学校で、9年生は中学校でいう3年生にあたります。
両校は東日本大震災直後から交流を開始し、今年で6年目を迎えます。
太田中学校は大槌学園の前身である大槌中の仮設校舎を訪問したり、花のプランターを送ったりと交流を続け、今では互いの学校祭でゲストとして出演し合うなど、絆を深めあってきました。
今回は初の昼食兼ねての交流会ということで、太田中学校3年生はこの日に向け、大槌学園のみなさんにプレゼントする「秋田のお米」の袋詰め作業など、着々と準備を進めてきました。
大槌学園のみなさんは約4時間の行程を経て、予定時間を若干押しての到着。
入口では太田中学校のみなさんが列を作り、拍手でお出迎えします。
互いに元気なあいさつを交わしていました。

交流会に先立って、太田中学校生徒会長の小松亮裕さんが「互いに絆を深める良い交流会にしよう」と歓迎の言葉を述べました。

そうして始まった大槌学園の語り部プロジェクトでは、悲惨な震災から5年が経過し、当時はまだ小学生で、誰かに守られる立場であった当時を振り返りながら、震災が自分たちに与えた影響と、頂いた多くの支援への感謝、そして成長した今、誰かを守る立場になっているのだという自覚が語られました。
そして、語り部と併せて、大槌中の特設合唱部が登壇し合唱を披露。
太田中学校のみなさんは真剣な面持ちで聞き入っていました。


太田中学校からは、自分たちの住む太田地域と学校生活の様子などを紹介。
マスコットキャラクターの「モニ花」を登場させたりしながら、自分たちが続けてきた被災地交流を振り返りつつ、今後も交流を深めていきたいという思いを大槌学園のみなさんに伝えました。
そして発表の締めくくりには、太田中学校の1年生から3年生までが壇上に並び、秋田県民歌と太田中学校歌を合唱しました。
交流会の最後には、両校生徒が威勢よくエールを交換し、盛会裏に終了。
交流会の後は、大槌学園9年生と太田中学校3年生のみなさんがグループに分かれ、昼食会を開きました。
振る舞われたのは地元産の具材がたくさん入ったきりたんぽ鍋とおにぎり。
大根や茄子の漬物と、いぶりがっこも並びます。
おいしい料理を囲みながら生徒たちの会話も弾み、お昼を食べ終わる頃にはだいぶ打ち解けた様子で、「〇〇の事、そっちじゃ方言で何て言うの?」などと方言や地元の話題で盛り上がる場面がありました。
けれど時間は過ぎるもの。
帰りの時間が近づき、時間を告げる合図に、所々で「ええ~っ、もう?」と名残惜しそうな声があがります。
ここで、太田中学校から大槌学園の皆さん一人一人へあきたこまちが贈られました。

校庭に出て記念の集合写真を撮影した後、大槌学園のみなさんを総出でお見送りします。



「震災の時はどんなだった?」なんて、会話では直接聞けなかっただろうけれど、自分たちの同年代が、違う環境でどんな経験をし、何を思い生活しているのかを知る機会は、生徒さんにとって視野や世界を広げることに繋がるはず。
両校の先輩たちが築きあげたこの活動を、後輩たちにも永く受け継いでいってほしいものです。
大槌学園9年生のみなさんに贈ったあきたこまち、楽しかった交流の時間を思い出しながら食べて欲しいですね。