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浜口優花さん「感謝の想い、歌に込めて」

先月、大曲市民会館で「第29回秋田おばこ節全国大会」が開催され、県内外から総勢130名が参加し、大賞の部、熟年の部、年少の部の3部門に分かれて、自慢の喉を競いました。

その大賞の部で、見事優勝を果たしたのは太田地域在住の浜口優花さん。
浜口優花さんは、現在13タイトルある民謡全国大会のうち、「秋田おはら節全国大会」や「生保内節全国大会」など8タイトルを取得しており、秋田県の民謡界で注目を集める若手の一人です。
2年前には、太田地域の夏の大イベント「太田の夏まつり」にもご出演いただき、多くの観衆の前でまつりを盛り上げてくださいました。
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優花さんはもともと同市角間川町のご出身で、結婚を機に太田地域に移住。
現在は夫と2人の子ども、そして夫の両親と3世代で暮らしています。

仕事や家事・育児をする傍ら、民謡歌手として数々の全国大会へ出場し、目覚ましい成績を残されている優花さんですが、今回の秋田おばこ節全国大会は特別思い入れのある大会だったそうで、授賞式では思わず涙してしまう場面がありました。

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その涙の理由、そして唄い手 浜口優花さんの強さの秘訣とは…
この度、直接お話しを伺うことができました。

優花さんは、舞台関係の仕事をしていた母親と、民謡好きの祖母の影響で、小さいころから民謡を聞いて育ちました。
小学4年生(9歳)の頃、母から勧められ、美郷町で開催された「長者の山全国大会」に出場し、自身初の大会出場にして優秀賞を受賞。
これをきっかけに民謡歌手としての道を歩み始めることとなりました。

歌唱力に磨きをかけること18年。
中学生までは年少の部、高校生からは一般の部に出場し、経験と実績を積み上げてきました。
自分の一番の持ち味は「人一倍の研究心」だといい、「音源や映像で上手な人の歌をひたすら研究し、自分に不足しているところを徹底的に磨く」という地道な努力に、人一倍力を注いできたそうです。
ご結婚され2児の母となってからは、仕事や家事・育児に勤しむ毎日。
独身だったころに比べて歌の練習に費やす時間があまり取れなくなってしまいましたが、一方で、大会では以前よりもいい成績を残せるようになったのだとか。

優花さんはその背景に、「家族」の大きな存在を感じているのだそうです。

優花さんにとって「秋田おばこ節全国大会」は、高校一年生から毎年欠かさず出場し続けるもなかなかタイトルを取る事ができず悔しい思いをしたり、上手な歌い手を沢山見たりしてきた思い入れの深い大会。
今回は出場を決めたものの、大会直前までほとんど練習の時間が取れず、実際に追い込みをかけたのは大会直前になってからでした。
特に前日はほぼ一日中部屋にこもって歌の練習に費やしたそうで、その間は旦那さんと旦那さんの両親が家事・育児をやってくれたのだとか。
優花さんは「自分が今こうして歌を歌っていられるのは、民謡について理解し支えてくれる家族がいるから。民謡を歌っているときは個人戦だけれど、本当はそうじゃないんだと思えるようになった」と今の心境を語ります。

また、「長く歌を続けていると、壁や苦難に当たって時に思いつめることがある。前までは『乗り越えるのは自分自身』と思ってやってきたけれど、今ではついネガティブになってしまう自分に寄り添って励ましてくれる夫や、結果を持って帰ったとき『おめでとう』と言ってくれる子どもたちがいる。大会の結果も大切だけれど、今は大会へ出かけるとき『いってらっしゃい、頑張って』と送り出してくれる家族ができたことに、民謡をやってきてよかったと思えている」と、家族へ想いを寄せます。

授賞式で流した涙は、念願の初優勝を果たした喜びはもちろん、支えてくれた家族や周りの人たちへの感謝の気持ちの表れでした。

 

DSC_1559家族の応援を推進力に、既に次なる目標へと向かっている優花さん。
今度は10月1日に大曲市民会館で開催される「東北民謡選手権」に、なんと秋田県代表で出場されるそうです。
今度はどんな良い知らせを聞かせてくれるのでしょうか。
引き続き、浜口優花さんの活躍に注目です。

Posted under: 太田地域

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