ふるさとこんにちは

秋田県大仙市公式ブログ

『第二楽章』男鹿和雄展 開催中

アニメーションの背景画家で、「となりのトトロ」などのスタジオジブリ作品で美術監督を務める男鹿和雄さんは、なんと太田の出身です。「トトロ」のノスタルジックで暖かいシーンを思い浮かべると、なるほどどことなく太田を想像しちゃいますよね。男鹿さんは、太田町三本扇に生まれ、高校3年生まで太田で暮らしました。暖かい風景画の源はここ太田で培われたと、太田に暮らす私たちは信じています。

 

この度、7月15日から8月20日までを会期として、大曲交流センターを会場に『第二楽章』男鹿和雄展が開催されています。『第二楽章』は、女優の吉永小百合さんが反核平和を願いボランティア活動として続けている朗読活動に、男鹿さんが挿絵を担当したものです。今回は、その『第二楽章』の挿絵原画や、広島・長崎・沖縄・福島など現地を取材したスケッチ資料の展示がされています。

 

7月14日は、オープニングセレモニーと内覧会が行われました。

オープニングセレモニーで老松市長は「大仙市は平成17年に非核平和都市宣言をし、平成19年からは中学生の非核平和レポーターの派遣を行っている。昨年は平和祈念フォーラムを開催しており、この度、大仙市で『第二楽章』が開催されることは大変意義深いものと思う。平和への想いを新たにしてもらう良い機会となる」と挨拶。

また、男鹿和雄展の開催にご尽力くださった、スタジオジブリの橋田イベント事業室長は「男鹿さんはジブリにとって宝。絵の空気感からわかるように、男鹿さんの心の中に秋田の風景が残っている。男鹿さんが大事にしている秋田で開催できて良かった。子ども達にも夏休み中に訪れ、楽しんでもらいたい」と話してくれました。

そして男鹿さんは「私が子どもの頃、太田はまだ村だった。子どもの頃の自分にとって、大曲は駅前の賑やかさが思い出され、東京のようなところだった。その思い出のある大曲で展示会を開催できることを光栄に思う。原子爆弾や戦争、大震災など、大惨事が起こるたび多くの人が亡くなる。吉永さんは、そのことを声高に叫ぶのではなく、静かに語り継いでいる。挿絵を描くことで活動の力になればと描きつづけてきた。展示の中に、第五福竜丸の絵が2点ある。これは昭和29年マグロ漁の最中に水爆実験の放射能を浴びた漁船を描いたもの。廃船となったのち、現在も東京都の夢の島に展示されているが、『この世界から核がなくなるまで航海中』とある。修学旅行生が多く訪れているが、秋田県からの修学旅行生はまだ訪れていないようだ。ぜひ、訪れてもらいたい」と穏やかにユーモラスにお話ししてくださいました。 IMG_4067

セレモニーの最後は、テープカット。関係者でオープンを祝いました。 IMG_9928

 

その後、待ち望んだ内覧会です。

展示会場は、「福島への思い」「ヒロシマの風」「長崎から」「沖縄から」の4つのコーナーに分けられ、展示数は100点を超えています。優しいタッチにも、もの悲しさや憂いが感じられる絵が並びます。男鹿さんの人柄の穏やかさが絵にも表れるのでしょうか、決して悲壮感はなく、優しくキュッと心が握られるようなそんな雰囲気に包まれた会場となっています。関係者の皆さんは、男鹿さんやジブリの橋田さんの説明を聞きながら、ゆっくりと見て回りました。 IMG_9949IMG_4091

 

そして、同時開催の「秋田、遊びの風景」展。 IMG_4120

こちらは、展示会場の向かいに、スペースを違えて開催されていますが、地元の方はこちらも忘れずにご覧いただきたいと思います。「あ、ここは!」と思う場所や、「あぁ~、こうだった」と思う場面、「この感じ、なつかしい!」という感動がたくさんあります。 IMG_4116

 

会期初日の7月15日には、午前中に男鹿さんの「サイン会」があり、午後はワークショップ「平和を願う折り紙体験」が開催されました。

ワークショップには、おおた児童クラブの皆さんなど、子どもから大人まで約50人が参加。大きな色模造紙を使用し、沖縄の海を泳ぐウミガメを折りました。なかなか複雑な折り方で、男鹿さんやジブリの皆さん、生涯学習課の職員が先生役になり、各テーブルをまわり指導してくださいました。 IMG_0003

模造紙を折り進めると、なかなか厚くなり、折り目をつけるのも、力が要ります。子どもは先生のお手本を見て、どんどん進みますが、大人はお手本を見てから自分の模造紙をみると右か左も迷ってしまいます。1時間ほどかけて、ウミガメの出来上がり。サイズ感、工程ともに超大作ができました。参加者は、作ったウミガメをもって、男鹿さんと思い思いに記念写真を撮りました。 IMG_0011

 

ジブリ作品を通じて、今や全国的にそして世界的に評価を得ている男鹿さんは、まさしく太田の誇りです。実際にお会いできる機会となった今回の作品展・サイン会そしてワークショップで、接すれば接するほど、絵の優しい感じは男鹿さんのお人柄そのものだと感じました。気さくにそして穏やかに、しかも秋田の方言を使ってお話をしてくださる男鹿さんをより身近に知ることができ、作品もますます好きになりました。

『第二楽章』男鹿和雄展、そして「秋田、遊びの風景」展は8月20日まで開催しています。ふるさとの偉人・男鹿和雄さんの作品を、この機会にぜひご覧ください。心の栄養になること、間違いなしです!

Posted under: 太田地域

Comments are closed.