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秋田県大仙市公式ブログ

先進農業と市場を学ぶ

農作物の収穫がやっとひと段落した11月末、大仙市新規就農者研修施設東部と西部の研修生が、県外で先進農業技術視察研修を実施しました。

この研修は、日頃から農業について学んでいる農業技術研修生が、農業先進地と市場視察を通じて、就農後の農業経営に活用することを目的に毎年実施しています。
参加した研修生は、東部から7名、西部から2名の合計9名。
向かった先は、岩手県にある「(有)石川園芸もりおか」、そして東京都大田区の「東京中央卸売市場」の2箇所です。

まずは「(有)石川園芸もりおか」で最新施設を活用した周年ユリ栽培を視察します。
1P1030046 1P10300591P1030063当社代表取締役の石川さんの説明のもと、研修生の皆さんは約3500坪にわたって広がる温室に通されます。
温室内には、区画ごとに生育の違うユリの花が並びます。
温室は換気効率のよいダッチライト型温室とヒートポンプを導入し、年間365日にわたり、適切な温度管理下で安定した採花を可能にしているそうです。
ハウス内の環境管理は、離れた自宅からスマートフォンで制御盤を操作でき、さらにはパソコンでハウス内をモニタリングもできるのだとか。

花卉栽培の盛んな太田地域、研修生の中にも花卉栽培での就農を視野に入れている方も多くいます。
一戸一法人という限られた労働力で大規模な栽培を行う先進農家の生の声を聞く貴重な機会に、研修生の皆さんは「定植時期や品種を変えることで周年収穫が可能になること、また作業の分散化により少人数運営が可能になることが分かった。今後の営業に役立てたい」と真剣に聞き入り、積極的に質問をしていました。

 

次に、東京都大田区にある「東京中央卸売市場」を視察しました。
東京中央卸売市場は、東京都大田区の臨海に面する約40万平方メートルもの広大な規模に青果部・水産物部・花き部の3部門を有する総合市場です。
特に青果部門の取扱規模は国内最大規模かつ東洋一とも言われ、東京の卸市場の半分以上の規模を占め、大田市場での決定価格は日本全国の市場の指標となっているのだそうです。
1P1030108研修生は農業の経営者として流通の仕組みも知っておく必要があるということで、市場への視察も毎年行われています。
1P1030136 1P1030157見学コースに沿って施設・市場内を見て回ったあと、JA全農あきた園芸畜産部東京園芸事務所長の南本竜一さん、東京荏原青果(株)取締役部長の北川信尋さんから「秋田県の青果販売状況等」と「市場の動向と市場の仕事」について説明をいただきました。
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真剣な眼差しで説明を聞く研修生の皆さん。
ちなみにこちらの北川部長、秋田県が枝豆出荷率2年連続日本一となったその立役者とされる人物です。
1P1030178講話の終わりに、北川部長から研修生に向けて「皆さんには、互いに秋田県の農業を担うパートナーとして情報共有しながら、勉強していってほしい。そしていずれは秋田の農業を背負っていく農家になってほしい」と熱い言葉でエールが送られ、その場にいた全員が視察研修に来た意義を実感する場面がありました。

この視察を経て
「作物を作ることだけでなく、売り手の気持ちや消費者への責任を大切に、より品質の高い作物を作りたいと思った」
「先進的な技術と、作業形態の工夫による運営形態の効率化について学ぶことができ将来の糧となった」
と、農業の可能性を再認識し、就農への想いをより一層強くした様子です。

市場と農家のパートナーシップ、そして情報共有の大切さを再確認した今回の視察研修。
ここで得たことを、日々の実践研修、そして将来の農業経営に大いに活かしていってもらえたらと思います。

研修生の皆さん、研修お疲れ様でした。

Posted under: 太田地域

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