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惣行集落会の紙風船づくり 太田の火まつりに向けて

太田地域の冬の一大イベント「太田の火まつり」が2月3日(土)に開催されます。
紙風船上げ、天筆焼き、雪中田植えなど、地域に伝わる小正月行事を一堂に集め、その伝承を目的として行われ、今年で37回目の開催となります。

例年であれば2月の下旬に開催されてきた太田の火まつりでしたが、近年は気温上昇や積雪量の減少、降雨などにより、イベントへの影響が懸念され始めたことから、この度の実行委員会で開催日程繰り上げの判断がされたところです。

 

火まつりの見どころの一つ「紙風船上げ」は、地域の各集落会や小中学校、園などで作られた紙風船が夜空に舞い上がり、太田の空に幻想的な光景を作り出します。
現在、2月3日の開催に向けて、地域の皆さんが紙風船の製作を進めているところです。

1月14日、惣行会館でも、集落の子ども達と保護者の皆さんが共同で紙風船作りに精を出す姿がありました。
作業は午前9時頃から、総勢25名が集まり行われ、私が到着した時は既に絵付け作業が始まっていました。

作られる紙風船は円筒形で胴周約5m、高さ約4mと大きめ。
その材料にはグラシン紙という、食品やお菓子の包装などによく使わる、薄く耐久性に優れた用紙が使われます。
76㎝×101㎝の用紙を貼り合わせ、それらに絵付けや文章を施した後、大きな大きな紙風船に組み立てます。

今年の絵柄は、子どもから大人まで幅広い人気を誇る、あのキャラクター達がモチーフ。
各々絵の具セットを持ち寄り、事前に保護者の皆さんがつけた下書きに沿って、絵の具で色付けしていきます。
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実際のモデルに忠実なものから独創性溢れるものまで、多種多様なキャラクターが描かれていきます。

アクリル絵の具を使っているので、乾いた後の艶と発色が鮮やかです。
最後に黒で縁取りをして・・・そうそう、作者の署名も忘れずに書き入れます。

絵の具が乾いたのを確認したら、紙を貼り合わせ紙風船にしていきます。
ここが一番気を遣う作業で、裏表が逆になったりしないよう、紙の向きに細心の注意を払いながら全員で慎重に行っていきます。
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全てが張り合わされたら扇風機で紙風船の中に風を送り膨らませ、大人は外から、子どもたちは紙風船の中から、紙がしっかり貼り合わされているか確認します。
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隙間がない事を確認したら、紙風船のてっぺん部分に、丸く切ったグラシン紙を張り付けて蓋をします。
そして、下部に針金の輪を固定し、完成!
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毎年製作している皆さんでも、絵付けから完成まで約3時間の工程でした。
良い仕上がりに、子どもたちも満足げです。

小正月行事の伝承を目的に開催している太田の火まつり。
開催にむけて、地域の各集落でこのような準備が着々と進められています。
同じ集落の大人と子ども達が集まり、こうしてひとつの紙風船を作るという作業は、紙風船作りの「技」と「想い」を後世に伝承する大切な時間でもあると思います。

準備から携わった皆さんにとって、火まつりを迎える楽しみもひとしおなはず。
心を込めて作った紙風船は、冬の夜空にどんな表情を見せるのでしょう。
今から楽しみですね!

Posted under: 太田地域

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