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川口渓谷紅葉トレッキング ~オブ山の大杉編~

10月19日(金)、川口渓谷の紅葉を楽しみながらオブ山の大杉へと向かう「川口渓谷紅葉トレッキング ~オブ山の大杉編~」が行われ、参加した12名が秋晴れの空の下で心地よいトレッキングに汗を流しました。

「オブ山の大杉」は、川口渓谷のオブ山にある、幹回り12.4m、樹高34m、樹齢1200年以上とされる巨大な天然杉です。
その幹の太さは秋田県一(東北で三位)で、大仙市の文化財に指定されているほか、国有林内における次世代への財産として健全な形で残していくべき巨樹・巨木として、林野庁が定める「森の巨人たち100選」にも指定されています。

8時30分に川口渓谷遊歩道入口を出発。

秋晴れのベストコンディションの中、遊歩道を進んでいきます。
オブ山への登り口は、この遊歩道を1kmほど進んだところから沢目に下り、川を越えたところにあります。
このところ続いていた好天で、川の水深は浅めです。
各々、用意してきた長靴を履き、慎重に川を越えていきます。 川を越えたら、いよいよオブ山の登り口。
急な取っ付きから山道に入り標高約400mをつづら折りに登っていきます。
途中、幾度となく現れる急登や、落葉に覆われた木の根で滑りやすい箇所もあるため、無理せず慎重に歩みを進めます。
登ることおよそ30分、目の前に大きな杉の木が現れました。
オブ山の大杉です。

ほとんどの参加者は大杉とは初対面だそうで、大杉の全容を頑張って写真に収めようとする方もいれば、近づいて上を見上げ、その大きさに思わず「いやぁ~、すごいなや~!」と嘆息を漏らす方もいました。

ちなみに、オブ山の大杉周辺は、つい先日まで倒木や背の高い雑草に覆われていましたが、この日のためにと、いつもオブ山周辺を整備してくれている門脇茂雄さんがあらかじめ刈払い作業をしてくれていました。
私も幾度かここを訪れていますが、下草が刈られ、根元部分からあらわになったオブ山の大杉を見るのは初めてで、どことなく新鮮な心地で見入っていました。

大きさを充分に味わった後は、参加した全員で、大杉の前に簡単な柵を設置する作業を行いました。
もともとオブ山の大杉の周りには、人が踏み入ることでその根を傷めないように木柵が設置されていましたが、現在は降雨や積雪の影響で倒壊し、柵の機能がなくなっている状態です。

大杉の前で一人一本ずつ杭を支え、等間隔になるよう打ち込んでいきます。打ち込み作業が終わったら、あらかじめ杭に開けておいた穴にロープを通して・・・
あっという間に可愛らしくも立派な柵が完成しました。
柵を設置したことで、オブ山の大杉の神々しさが倍増したような気がします。
完成した柵の前で、オブ山の大杉と記念撮影をしました。
その後は、元来た道を戻って下山します。
途中、ときおりオブ山の木々の合間から紅葉に染まりつつある川口渓谷の風景を垣間見ながらの下山となりました。

川口渓谷遊歩道のゲート前に戻ってきたのは10時30分頃。
スタートから2時間半ほどで往復することができました。

トレッキングを終えてみて、参加者の見澤さん(美郷町)からは
「前から見てみたいと思っていたので、今回参加できたのは良い機会だった。1000年以上生き続けているこの巨木は、我々にとって貴重な存在。これからも一目見ようとオブ山の大杉を訪れる人は多いはず。でもやはりその分、根を踏まれたりして木が消耗してしまってはいけない。オブ山の大杉を守っていくために、柵を設置する作業に協力させてもらったことは良い思い出になった」と感想をいただきました。

オブ山の大杉は、その存在感・生命力から見る者に感動を与えるだけでなく、自然を守ることの大切さをここで静かに訴えているようにも感じます。

柵の設置について、当日の急なお願いだったのにもかかわらず、快く引き受けてくださった皆さん、ありがとうございました。

秋深く、紅葉に染まる川口渓谷。オブ山の大杉は、この写真では、山の稜線のちょうど真ん中あたりに写る三角形です。遠くからでも存在を確認できます。
秋の川口渓谷遊歩道では、渓谷が織りなす色鮮やかな紅葉と美しい滝との共演を望みながら、遊歩道散策を楽しむことができます。散策のついでに、オブ山の大杉にも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。