鈴木空如筆 法隆寺金堂壁画展 が5月24日(金)から始まっています。
会場:太田文化プラザ
会期:5月24日(金)から6月9日(日)まで
時間:9:00~16:00
文化財保護課でまとめた「鑑賞の壺」より、開催にあたっての挨拶を抜粋し、
今回の展示会の鑑賞ポイントなどを紹介します。
鈴木空如(すずきくうにょ)は、1873(明治6)年に、現在の大仙市太田町小神成の旧家に生まれ、画家を志して徒歩で奥羽山脈を越え上京するも日清戦争(1894~95年)に出征して清国盛京省(しんこくせいきょうしょう)、台湾を転戦しました。その際、多くの戦死者を見たことが実家に宛てた書簡に記されており、後の仏画家 鈴木空如誕生の素地となったかのかもしれません。
1898(明治31)年、東京美術学校日本画専科に入学し、卒業後さらに研究科に進み1904(明治37)年に修了しました。その後は法隆寺金堂壁画を原寸大で3度も模写するなど、仏画家としての道を歩み、46(昭和21)年7月21日、めいが経営する神奈川県箱根町の吉池旅館で73年の生涯を静かに終えました。
空如の仏画制作は、信仰にもとづいた一切の妥協を許さない、地道で時代に流されることのない誠実なものです。
本展示では、3作目の法隆寺金堂壁画とあわせて、初の一般公開となる1作目の精巧なレプリカを展示いたします。
本展示をとおして、空如の誠実な人柄やその精神を市民の皆様、とくに子ども達が何かを感じていただければ幸いです。
終わりに、生家鈴木家、箱根鈴木家そして関係者の皆様のご理解とご協力に心から感謝申し上げます。
(鈴木空如筆 法隆寺金堂壁画展 鑑賞の壺 より)