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刈和野の大綱引き〜藁打ち・グミ編み篇〜

みなさん、こんにちは。
西仙北支所の広報担当です。

本年もよろしくお願いします。

さて、大仙市西仙北地域では、国指定重要無形民俗文化財「刈和野の大綱引き」が毎年2月10日に行われ、地域内外から約8,100人の人々が訪れ、街が賑わいます。
「刈和野の大綱引き」は、室町時代から500年以上続く、大仙市の冬の一大イベントで、刈和野地区の中心部「大町通り」で町を上町、下町に二分し、国内最大級の大綱を引き合います。上町が勝てば米価が上がり、下町が勝てば豊作になると言い伝えられています。

「刈和野の大綱引き」で使われる綱は、地域内外から集めた藁を使用し、綱引き本番の数ヶ月前から、上町、下町の人々によりつくられます。
特に、今回紹介する「藁打ち・グミ編み」は、12月下旬から開始し、厳寒のなかで行われ、とても大変な作業です。

「藁打ち」とは、藁打機という機械で藁を叩き伸ばす作業のことを言います。

↑下町の藁打ちの様子。

このように藁を打ち、叩き伸ばすことで藁が柔らかくなり、より丈夫で切れにくい綱をつくることができます。

続いて、グミ編みの様子を紹介します。
グミとは、藁打ち作業を経て柔らかくなった藁を編むことで、大綱の元になる藁の束のことを言います。一本のグミの長さは20尋(約30.2m)、幅が約10㎝。このグミを上町、下町の各町200本ずつ、全体で400本準備します。

↑上町のグミ編みの模様です。

↑下町のグミ編みの模様です。

藁を足しながらグミを編んでいきます。

熟練した職人でも一日で2本つくるのが精一杯だそうです。

綱作り作業について、年々、後継者不足による技術継承が苦慮されており、「刈和野の大綱引き」を次世代へどのように継承していくのかが今後の課題になっています。
大綱保存会では、地元の保育園児や小学生が、グミ編み作業を体験する機会を設け、このような体験を通して、子ども達への伝統文化の継承を目指しています。

次回は、保育園児や小学生がグミ編み体験をしている模様をご紹介します。