2月15日(土)、横沢東集落会による「天筆焼き」が行われました。
昔は太田地域内の各集落で行われていた小正月行事の「天筆焼き」も、今では珍しいものとなりました。「天筆焼き」はカマクラと呼ばれる稲わらの塔に火をつけ、燃え盛る火で願いごとを記した五色の短冊(天筆)を焚きあげ、それぞれの願いが成就をすることを祈るものです。
「天筆焼き」を各集落で続けていくには、カマクラを造る技術の伝承も必要ですし、材料となる稲わらの確保も必要です。「天筆焼き」を知っている人材がいて、さらにそれを伝えようとする情熱もなければ継承はなかなか困難です。
横沢東集落会では、30年以上途絶えていたこの天筆焼きを昨年復活させました。復活を後押ししたのは、「地域の伝統行事を子ども達に伝えたい。今こそ伝えなければいけない」という強い想いでした。
この横沢東集落の近辺はもともと未開の地であり、終戦後に入植者が拓いた地域です。今、集落会を支えているのは開拓2世にあたる方々が多く、苦労した親たちの姿をみて育ち、自らも苦労を重ねた皆さんです。次に伝えたいという気持ちが強いのも納得です。また、数年後には圃場整備によって、この開拓の地も風景が大きく変わることもあり、子ども達に何か残したいという想いもありました。
そんな想いから復活させ、2年目となる今年、「去年やったば、あまりにおもしろくてよぉ」とお父さんたちが口を揃えます。少年のように、朝から嬉々として雪運びやら会場設営やらに精を出します。メンバーには、農家さんはもちろんですが、大工さん、機械のオペレーターさんなど役者がそろい、チームワークもバッチリです。
稲わらは、農家さんが刈取り時に各自とっておくそうです。今日のこの日のために、秋から準備が始まっていることを知りました。
お母さんたちは、集落会館でおにぎりとあたたかいお味噌汁を手作りして、振る舞います。

子ども達は、ミニかまくらづくりやもちつきなど大人と一緒に体験、明るい歓声を響かせます。



ついたお餅でおしるこが振る舞われ、みんなで食べるのもまた楽しい。
まさに集落会のみんなが一つになって、楽しんでいることが感じられます。