意見書(第71号~第80号)

公開日 2013年10月21日

更新日 2020年03月19日

意見書第71号 ミニマムアクセス米の輸入見直しに関する意見書

 昨年、9月に発覚したミニマムアクセス米の汚染米不正転用事件は、食の安全に対する国民の信頼を著しく失墜させました。また、事件を検証した内閣府の有識者会議が「農水省は国民の食の安全に対する責任と自覚が欠落していた」と厳しく指弾したように、農水行政が鋭く問われた事件でした。

 こうした経緯を経て昨年10月、農水省は一定の対策を講ずるとともに「事故米を二度と流通させません」と「安全宣言」をしました。

 しかし、「安全宣言」以降、食品加工の現場で最強の発ガン性カビ毒アフラトキシンが発見されるなど75件もの汚染米が発見されています。農水省は販売する輸入米の全量の袋を開き、目視でカビをチェックし新しい袋に入れ替えて出荷するという異常な作業を全国の倉庫で繰り広げています。そのための予算を30億円も計上しています。

 2月17日、農水省は新たな対策として、目視で確認した米を、ロット毎に一定の基準でサンプルを採取してカビ毒を検査し、陰性のものは販売し、飼料用はカビ毒が陽性であっても一定の基準以下なら販売するとしています。また、従来行ってきたカビ汚染発見時の同一船・同一契約の米の販売凍結はやめ、カビ状異物そのものの検査もやめるとしています。

 この対策はカビに関する科学委員会の助言によるとしていますが、はたして、これで輸入米の安全性が確保できるのでしょうか。農水省自身が購入業者に対し、1ヶ月以内の使用することやカビの出ない保管、カビ発見時の届出と使用停止等を条件に販売している事実が、何よりも輸入米の危険性を雄弁に物語っています。汚染米がいつ国民の口に入ってもおかしくない状況にあり、「事故米を二度と流通させません」とした国民への約束違反であり、到底容認できません。

 今、問われているのは、ミニマムアクセス米の安全性であり、国民の食の安全を大きく脅かしてまで輸入を続ける農政そのものです。

 ミニマムアクセス米の輸入は、安全性に加えて、国際的な価格の高騰に加担し、途上国の人々の食糧を奪うことにならざるを得ません。国内では「生産過剰」が米価下落の原因であるとして、生産調整が拡大・強化されていることからしても輸入は許されるものでは在りません。

 よって、下記の事項について政府に対し強く要望いたします。

  1. ミニマムアクセス米の輸入を中止すること

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

意見書第72号 政府が自ら決めた備蓄ルールに基づいて、20万トン規模の政府米買い入れを求める意見書

 農水省は08年産米の生産量を866万トンとし、需要量は855万トンと予測して集荷円滑化対策によって「豊作過剰米」10万トンを2月に買い入れ、変則的に政府備蓄米に充当しました。この結果、米の「需給は均衡」しているとしてきました。

 しかし米価は4月以降、一気に下落し、市中相場はコシヒカリを中心に1,000円(60kg)以上も下落しています。

 その原因は、昨年の11月以降、景気の底割れ状態の下で米の需要が落ち込み、4月からの輸入小麦価格の大幅値下げ(14.8%)、MA汚染米事件や、その後のカビが続出していることの米消費への影響等が考えられます。

 こうした中、量販店は「生活応援」などと称し、5kgで200円(1俵換算2,160円下げ)、300円(同3,240円)、中には500円超(同5,400円超)の値下げ販売をおこなっています。コンビニや量販店も弁当を200円台で大々的に売り出し、業界紙は「過去最高の値下げ競争」と報じています。こうした動きは米価の重大な値下げ圧力となり、この事態を放置するなら09年産の価格に重大な影響を及ぼすことは間違いありません。

 農水省の無責任な備蓄米政策も米価暴落の大きな要因です。米業界は農水省の発言「備蓄米は買い上げしない(3月31日、食料部会)」によって「需給は締まりようがなくなった」と見ています。

 農水省は備蓄米の適正在庫は100万トンとし、売れた量だけ買い入れるのが「備蓄ルール」としてきました。昨年6月末の備蓄米は99万トン、この間の販売見込みは約21万トンであり、今年6月末に100万トンの在庫を維持するためには、最低22万トンの買い入れが必要です。しかし、農水省は正規の備蓄米の買い入れは全く行っていません。そればかりか、05年産の備蓄超古米を安値(12,000円台/60kg)で売却して米価暴落を誘導しています。

 こうした状況を放置するなら、政府が育成の対象としている「担い手農家」を含めて米の再生産の基盤が失われることは明白です。

 よって、下記の事項について政府に対し強く要望いたします。

  1. 政府が自ら決めた備蓄ルールに基づいて、20万トン規模の備蓄米の買い上げを直ちに実施すること

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

意見書第73号 物価に見合う年金の引き上げを求める意見書

 今、地方経済は、アメリカ発の金融危機に起因する不況で深刻です。「派遣切り」に象徴される雇用不安、「消えた年金」問題、生産価格を割り込む農水産物の価格下落は、地方経済を直撃しており、住民は、安心して暮らせない状況にあります。

 こうした社会不安のもとで、高齢者は、原油や穀物に対する国際的な投機によってもたらされた物価高騰に苦しんでいます。その上、公的年金控除・老齢者控除の縮小・廃止、高齢者の住民税非課税措置の廃止、定率減税の廃止、国保・介護保険料の引き上げで、可処分所得が減少し、とりわけ、低年金者や無年金者の生活は深刻になっています。

 年金受給者は、平成21年4月の年金改定期にあたり、物価上昇に見合う年金引き上げが行われるものと期待していました。ところが政府は、手取り賃金改正が0.9%にとどまったとして、年金改定を見送りました。

 しかし、総務省調査では、平成20年度の消費者物価指数は、対前年比2%弱の上昇と推定しています。日銀実感調査(平成20年12月)では、物価は10.2%上昇しているとしており、国民の実感も1割以上の物価上昇です。特に、電化製品等の耐久消費物品は下がったものの、パンやうどん、ガソリンや灯油などの生活関連物品の値上がりが年金生活者の暮らしを困難にしています。

 消費刺激をし、年金受給者の生活を守るために、物価上昇に見合う年金の改定と、低年金者と無年金者の生活を支援する下記の措置をとるよう要望します。

  1. 物価上昇に見合う年金引き上げを行うこと
  2. 低年金者と無年金者には「生活支援金」を上乗せして支給すること

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

意見書第74号 保険で良い歯科医療の実現を求める意見書

 歯や口腔を健康な状態に保ち、咀嚼や口腔機能を維持・回復することは全身の健康の増進や療養・介護のQOL(生活の質)を向上させ、国民医療費節減にも役立っていることが「8020運動」によって実証されている。

 また、多くの国民は、歯科医療について保険の利く範囲の拡大と自己負担の軽減を強く望んでいる。

 しかし、現実の歯科医療では、歯科診療報酬が抑制されているため、このような国民の要望に反して保険給付範囲が年々縮小されている。

 2008年4月改定では、歯科分野の基礎的技術評価が引き上げられたとはいえ、わずかな財源で十分な評価とはなっておらず、安価な報酬で患者を長期に継続管理していくことを歯科医療機関に求めるものとなっている。

 また、歯科技師だけでなく、歯科衛生士、歯科技工士の労働環境も一段と厳しくなり、各地の歯科衛生士や歯科技工士養成所で廃校、定員割れが起きているなど、将来の歯科医療確保さえ危ぶまれる状況に陥っている。

 このような事態を放置すれば、多くの国民の健康保持に支障をきたすだけでなく、国民医療費の節減にも逆行することになりかねない。

 以上の点から、歯科医療従事者が歯周病の治療・管理が十分にできるとともに、良く噛める入れ歯が提供できるなど、保険で良い歯科医療が行えるよう、また、患者が安心して歯科受診できるよう、次の事項の実現を強く求める。

  1. 患者窓口負担を軽減すること。
  2. 良く噛める入れ歯が保険給付として製作・装着・管理できるように、また、歯周病の治療・管理が保険給付として適切にできるようにする等、良質な歯科医療が保険で提供できるように診療報酬を改善すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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