法隆寺金堂壁画について - 鈴木空如資料調査研究事業

公開日 2019年12月06日

更新日 2020年03月19日

法隆寺金堂壁画について

 世界文化遺産・法隆寺には、世界最古の木造建築物である金堂・塔・中門があります。鈴木空如が模写した十二面の壁画は金堂外陣の壁を荘厳する壁画です。

 金堂壁画は、中国の敦煌莫高窟に描かれた唐代の壁画と比較されますが、近年、莫高窟壁画よりも金堂壁画の図柄が整理され洗練されていると指摘されています。このことから、金堂壁画は唐の都・長安から直接伝えられた技法で描かれていることがわかってきました。金堂壁画は、当時の文化交流を知る第一級の資料であり、東洋美術の至宝でもあります。

 壁画の制作時期は、7世紀末から8世紀初めのものと推定されています。十二面の壁画は、諸仏を描いた四面の大壁(釈迦浄土図・阿弥陀浄土図・弥勒浄土図・薬師浄土図、各高さ3.12m×幅2.67m)と八面の小壁(日光菩薩図・観音菩薩図・大勢至菩薩図・月光菩薩図・聖観音菩薩図・文殊菩薩図・普賢菩薩図・十一面観音菩薩図、各高さ3.12m×幅1.58m)からなります。

 残念なことに、昭和24年(1949)の金堂の火災によりに壁画は焼損してしまいました。現在、私達が拝観している金堂壁画は、昭和42(1967)年に明治期の桜井香雲、大正・昭和期の鈴木空如の模写本などを参考資料として再現したものです。

 その再現の方針は、「制作当初への“復元"」ではなく「焼損時への“再現"模写」をすることとし、焼損前に撮影したガラス乾板から和紙に図像の輪郭を印刷し、着色したものを木枠に貼り壁にはめ込んでいます。

空如筆 抜き写し (100点余りが確認されている)

   

お問い合わせ

文化財課
住所:秋田県大仙市高梨字田茂木10
TEL:0187-63-8972
このページの
先頭へ戻る