台風による農作物被害について―農業者の皆さまへ―

公開日 2018年07月27日

更新日 2018年07月27日

 気象庁発表の台風情報(7月25日11時 45分発表)によると、沖ノ鳥島近海に台風第12号が発生し発達しながら北東に進んでいます。今後、7月28日から29日にかけて本州沿岸に接近・上陸するおそれがあり、暴風及び大雨による農作物等への影響が特に懸念されるところです。つきましては、フェーン現象による高温も想定されますので、下記内容をご確認の上、被害防止対策を行っていただきますよう宜しくお願い致します。

 

 

【全般】


1 人命第一の観点から、ほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まるまでは行わない。また、大雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、ほ場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行う。


2 これまでの地震や記録的な豪雨等の影響により被害を受けた地域においては、引き続き、土砂災害に注意するとともに、異常出水時においては、農作業及び農地・農業用施設の見回りについては気象情報を十分に確認し、これらの状況が治まるまで行わないなど、人命を最優先に行動し、二次災害の防止に努める。


3 台風通過後に、暑熱環境下で作業を行う場合は、熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、こまめな水分と塩分の補給や休憩を取るように心掛ける。特に、高齢者は、のどの渇きや暑さを感じにくく、知らず知らずに熱中症にかかりやすいことから、単独作業にならないようにする。

 

【野菜】


1 事前対策
    ほ場内からの早期排水のため、あらかじめ溝切り、畦立て等の管理作業を実施する。また、台風による風害のおそれがある場合には、べたがけ資材の利用等により被害回避に努める。傾斜地畑においては、排水路の設置等により畑地崩壊及び土壌侵食を防止する。


2 事後対策
    浸水時には速やかな排水に努める。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等を行い生育の回復に努めるとともに、折損した茎葉の除去や適切な薬剤散布を行い、病害の発生を防止する。

 

【果樹】


1 被害拡大防止のための対策
    強風及び大雨により、かんきつのかいよう病及び黒点病、りんご及びなしの黒星病等の病害虫が発生しやすい状況となることから、枝、葉及び果実に付着した泥の洗浄や、病原の温床となり得る折損した枝や被害果の除去に努めるとともに、追加防除を実施するなど、新たな病害虫の発生抑止に向けた対策に努める。


2 被害を受けた樹体の回復対策
    災害等により落葉した場合は、被害時期や被害程度に応じて日焼けや樹脂病等の防止のため白塗剤を塗布する。倒伏した場合は、健全な根を切らないようにできる限り早く引き起こし、支柱を添えて固定する。枝裂けした場合は、針金、ボルト等で結合し、傷口に塗布剤を塗る。被害により樹勢が弱まっている場合は、薬害が発生しないよう留意しつつ病害虫の防除を実施するとともに、樹勢に見合った適切なせん定、施肥及び摘果を実施する。

 

【花き】


1 事前対策
    露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆し、草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行うとともに、ほ場の周囲に防風網を設置し風害に備える。


2 事後対策
    冠水又は浸水したほ場については、排水ポンプによるくみ上げ等により速やかな排水に努める。また、倒伏した株は早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止するとともに、折れた茎葉は除去し、適切な薬剤散布等により、病害の発生防止に努める。被覆資材、支柱、防虫ネット等の資材や栽培施設についてはできる限り早期に点検・修復を行い、特にキク等の栽培に係る電照・補光関連設備(電球、タイマー等)については、速やかに作動状況の点検を行う。

 

【園芸用施設】


1 事前対策
    育苗施設、栽培施設及び集出荷施設の破損及び倒壊を防止するため、施設の点検に努め、必要に応じて補強・破損箇所の補修及びパイプの撤去等を行う。施設については、強風時に周辺の構築物、道路等からの飛来物により損害を受ける場合も多いため、施設周辺の清掃、防風網の設置等による防風対策を講ずる。また、簡易な栽培施設については、施設内作物の収穫後は、被覆資材の早期除去に努める。


2 事後対策
    強風による施設の被害が発生したときは、できる限り早期に施設の破損、倒壊状況等の点検を行うとともに、修復が可能な場合には、早急な修復に努める。台風通過後は、強い日射により園芸用施設内の温度が急上昇し、高温障害を生じやすいので、フィルムの巻上げ等の換気操作を行う。

 

【水稲】


1 台風の接近に際しては、あらかじめ、排水路、ほ場内排水溝等の点検及び補修整備を行う。冠水時には排水路等を通じて速やかな排水に努め、排水後は、白葉枯病等の発生動向に留意し、的確な防除に努める。冠水被害を受けた稲体は水分調節、肥料吸収等の機能が低下していること、出穂期や登熟期における台風通過後のフェーン現象は、白穂の発生、登熟不良等を引き起こすことから、根の活力を旺盛に保つよう水管理を徹底するとともに、応急的に通水し、水分の補給に努める。


2 台風の接近に伴う強風や大雨により倒伏や潮風害が起きた場合には、未熟粒や穂発芽等が発生し、品質低下が懸念されるため、被害の程度と籾の状況を見極めつつ適期収穫に努めるとともに、被害籾は仕分けして乾燥・調製を行う。


3 早期米地帯においては、収穫後に自宅倉庫等で保管されている米については、共済制度の対象とならないことに留意し、適切な場所で保管する。

 

【麦類】


赤かび病等が発生したほ場では、健全なほ場と分けて収穫・乾燥調製を行うとともに、乾燥調製施設の荷受け時においても品質のチェックを入念に行い、健全粒との仕分けを徹底する。

 

【大豆】


1 土壌の多湿状態が長期間継続すると、土壌中の酸素不足による生育遅延や根腐れを引き起こすため、あらかじめ溝切り等の管理作業を行い、早期排水対策に努める。


2 生育初期の湿害等により   、再播種を行う場合は、播種晩限に注意しつつ、播種時期に応じ、播種量を増やすなどにより苗立ち数等の確保に努める。また、止むを得ず転用種子を用いる場合も、発芽率等を確認した上で、必要に応じ、播種量を増やす等により苗立ち数等の確保に努める。

 

【畜産】


1 事前の対策
   (1)施設については、必要な修繕・補強を行うとともに、浸水に対処するため、暗渠の設置や土嚢や排水ポンプを適宜準備するなどの対策を講ずるよう努める。また、機械等の稼働に必要となる燃料や電力を確保するための発電機や、飼養管理機器の保守に必要な部品などを備えるよう努める。
   (2)家畜への被害が生じるおそれがある場合は、事前に避難場所を確認し、状況に応じて家畜を避難させる等の適切な処置を行う。
   (3)各地域において、行政機関や生産者団体等との連携により、あらかじめ停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機による搾乳や生乳冷却等について、早急に対応できるよう努める。
   (4)飼料・燃料などについては、不測の事態を考慮し、家畜を少なくとも1週間以上飼養するために必要な分量を最低在庫量として維持するよう、計画的な生産や購入に努める。その保管場所については、河川の増水や土砂崩れのリスクも考慮し、分散して保管するなど工夫する。また、飲水についても貯留タンクの設置やくみ上げポンプを準備するなどの対応を行うよう努める。
   (5)天気予報などにより天候の状況を注視し、飼料作物の管理・収穫作業等の計画を変更するとともに、収量や品質の確保のために、その調製法や時期についても、例えば乾草からサイレージに切り替えるなど臨機応変な対応を行う。特に飼料用とうもろこしについては、台風等に当たると予想される場合、糊熟期以降であれば、収穫適期に達していなくても、被害軽減のために収穫作業を一部前倒して開始することも検討する。また、降雨による冠水に備え、圃場に明渠や暗渠を整備するなど、排水対策を講ずる。


2 被害拡大防止のための対策
   (1)畜舎及び家畜
       ア 天候の回復後、安全を確認した上で施設や圃場を点検し、被害状況を被災時の緊急連絡先(県、市、農協、家保など)に報告するとともに、死亡した家畜の処理や畜舎の排水・消毒などについて家保などに必要な指示を仰ぐ。また、停電が続いている場合は、発電機を利用した搾乳、生乳冷却等に努める。
       イ 畜産施設内及びその周辺が浸水した際は排水を行うよう努め土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去するよう努める。
       ウ 畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚染がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行うよう努める。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染性疾病の発生予防措置を講じるよう努める。
       エ 被災後、機器等への通電を再開する際には、使用マニュアルなどにより手順や注意事項を確認するとともに、漏電やショートに留意した対応を行う。また、状況によってはメーカーによる点検を受けるなど極力一人で作業を行うことを避けるとともに、ヘルメットを始めとする安全装備を着用する。
       オ 水濡れ、土壌の付着などにより品質が低下した飼料の給与は、家畜への健康被害や畜産物を通じた人の健康への影響の懸念がある場合は中止する。健康への被害や影響が明らかでない場合には、家畜保健衛生所などの指示を仰ぐ。飼料の品質が低下しているもののこれらの影響が想定されない場合で、代替飼料が確保できないなどの理由によりやむを得ず給与する場合には、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意する。
   (2)飼料作物及び稲わら
       倒伏、冠水などにより、飼料作物が被害を受け,減収が懸念される場合などには、次期作を前倒しした作付けや、稲わら等の農産副産物の確保等により、良質な粗飼料の確保等に努める。

 

 

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農業振興課

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