○大仙市監査委員監査基準
令和5年3月27日
監査委員訓令第3号
大仙市監査委員監査基準(令和2年大仙市監査委員訓令第1号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 一般基準(第5条―第9条)
第3章 実施基準(第10条―第17条)
第4章 報告基準(第18条―第23条)
附則
第1章 総則
(監査等の目的)
第3条 監査等は、市の行財政運営について、健全性及び透明性の確保に寄与し、また、事務の管理及び執行について、法令に適合し、正確で、経済的、効率的かつ効果的な実施を確保し、もって住民の福祉の増進と市政への信頼確保に資することを目的として実施する。
2 監査委員は、自ら入手した証拠等を基に監査等の結果を形成し、結果に関する報告等を決定し、これを議会及び市長等に提出する。
(監査等の種類及びそれぞれの目的)
第4条 監査等の種類及びそれぞれの目的は、次に掲げるとおりとする。
(1) 財務監査(法第199条第1項) 財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理が法令に適合し、正確で、最少の経費で最大の効果を挙げるようにし、その組織及び運営の合理化に努めているか監査すること。
(2) 行政監査(法第199条第2項) 事務の執行が法令に適合し、正確で、最少の経費で最大の効果を挙げるようにし、その組織及び運営の合理化に努めているか監査すること。
(3) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条) 選挙権を有する者の五十分の一以上の連署による請求に基づき、その請求に係る事項について、処理及び執行の事実に妥当性があるか監査すること。
(4) 議会の請求に基づく監査(法第98条第2項) 議会の請求に基づき、その請求に係る事項について、処理及び執行の事実に妥当性があるか監査すること。
(5) 市長の要求に基づく監査(法第199条第6項) 市長の要求に基づき、その要求に係る事項について、処理及び執行の事実に妥当性があるか監査すること。
(6) 財政援助団体等に対する監査(法第199条第7項) 補助金、交付金、負担金等の財政的援助を与えているもの、出資している法人、借入金の元金又は利子の支払を保証しているもの、信託の受託者及び公の施設の管理を行わせている団体の当該財政的援助等に係る出納その他の事務の執行が当該財政的援助等の目的に沿って行われているか監査すること。
(7) 公金の収納又は支払事務に関する監査(法第235条の2第2項又は公企法第27条の2第1項) 監査委員が必要と認めるとき、又は市長若しくは公企法第7条に規定する管理者(以下「管理者」という。)の要求があるときに、指定金融機関等の公金の出納事務が正確に行われているかを監査すること。
(8) 住民監査請求に基づく監査(法第242条) 住民から市の職員等による違法又は不当な財務会計上の行為又は財務会計上の怠る事実について、それらを証する書面を添えて監査の請求があったときに、請求に理由があるか等を監査すること。
(9) 市長又は管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2の7第3項又は公企法第34条) 市長又は管理者の要求に基づき、職員が市に損害を与えた事実があるか監査すること。
(10) 例月現金出納検査(法第235条の2第1項) 会計管理者等の現金の出納事務が正確に行われているか検査すること。
(11) 決算審査(法第233条第2項又は公企法第30条第2項) 決算及び関係書類が法令に適合し、かつ、正確であるか審査すること。
(12) 基金の運用状況審査(法第241条第5項) 基金の運用の状況を示す書類の計数が正確であり、基金の運用が確実かつ効率的に行われているか審査すること。
(13) 健全化判断比率審査(健全化法第3条第1項) 健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が法令に適合し、かつ、正確であるか審査すること。
(14) 資金不足比率審査(健全化法第22条第1項) 資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が法令に適合し、かつ、正確であるか審査すること。
2 前項第1号に規定する財務監査は、定期監査(法第199条第4項)又は随時監査(法第199条第5項)として実施する。
3 法令の定めるところにより監査委員が行うこととされているその他の行為については、法令の規定に基づき、かつ、本基準の趣旨に鑑み、実施するものとする。
第2章 一般基準
(倫理規範)
第5条 監査委員は、高潔な人格を維持し、いかなる場合も信義にのっとり誠実な態度を保持するものとする。
2 監査委員は、常に、独立的かつ客観的な立場で公正不偏の態度を保持し、正当な注意を払ってその職務を遂行するものとする。
3 監査委員は、職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は他の目的に利用してはならない。その職を退いた後も同様とする。
(専門性)
第6条 監査委員は、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有することが求められ、第3条の目的を果たすため、自らの専門能力の向上と知識の蓄積を図り、常に自己研さんに努めるものとする。
2 監査委員は、監査委員の事務を補助する職員に対し、監査委員の職務が本基準にのっとって遂行されるよう、地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関して、自らの専門能力の向上と知識の蓄積を図るよう研さんに努めさせるものとする。
(指導的機能の発揮)
第7条 監査委員は、第3条の目的を果たすため、監査等の対象組織に対し、適切に指導的機能を発揮するものとする。
(情報管理)
第8条 監査委員は、監査等において入手し、又は作成した情報が意図せず外部に流出しないよう、情報管理を徹底するものとする。
2 監査委員は、監査等において入手した個人情報について、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)等に基づき適切に取り扱うものとする。
(質の管理)
第9条 監査委員は、本基準にのっとって、その職務を遂行するに当たり求められる質を確保するものとする。
2 監査委員は、監査委員の事務を補助する職員を適切に監督し、指導するものとする。
3 監査委員は、監査等(第4条第1項第8号に規定する監査を除く。以下「財務監査等」という。)の計画、財務監査等の内容、判断の過程、証拠及び結果その他の監査委員が必要と認める事項を監査調書等として作成し、適切に保存するものとする。
第3章 実施基準
(合理的な基礎の形成)
第10条 監査委員は、監査等の実施に当たり、十分かつ適切な監査等の証拠等を入手して、決定する監査等の結果の合理的な基礎を形成するものとする。
(財務監査等の計画)
第11条 監査委員は、財務監査等を効果的、効率的に実施することができるように、財務監査等の計画を策定するものとする。
2 財務監査等の計画は、これを年間計画と実施計画に分け、年間計画は遅くとも毎年度開始後最初の監査委員会議で、実施計画は当該財務監査等の実施までに策定するものとする。
3 監査委員は、年間監査計画の策定に当たり、リスク(組織目的の達成を阻害する要因をいう。以下同じ。)の内容及び程度、過去の監査結果、過去の監査結果に対する措置の状況、監査資源等を総合的に勘案した上で、次に掲げる事項を年間計画に定めるものとする。
(1) 実施予定の財務監査等の種類及び対象
(2) 財務監査等の種類別実施予定時期
(3) その他必要と認める事項
(1) 財務監査等の種類
(2) 財務監査等の対象
(3) 財務監査等の着眼点
(4) 財務監査等の主な実施手続
(5) 財務監査等の実施場所及び日程
(6) その他財務監査等の実施上必要と認める事項
(財務監査等の計画の変更)
第12条 監査委員は、財務監査等の計画の前提として把握した事象や環境等が変化した場合又は財務監査等の実施過程で事前のリスク評価に重大な影響を与えるような新たな事実を発見した場合には、必要に応じて適宜財務監査等の計画を変更するものとする。
2 監査委員は、前項のリスクの内容及び程度の検討に当たっては、内部統制の整備及び運用状況について情報を集め、その有効性を評価して判断するものとする。
(財務監査等の実施手続)
第14条 監査委員は、必要な財務監査等の証拠を効率的かつ効果的に入手するため、財務監査等の計画に基づき、必要とする監査手続を選択し財務監査等を実施するものとする。
2 前項に規定する監査手続は、書類、帳簿、証書、設計書その他記録に基づき、実査、立会、確認、証憑突合、帳簿突合、計数突合、分析的手続、質問、観察、閲覧等を行うこととする。
3 監査委員は、監査手続の選択適用に関しては、その重要性、効果、範囲、日数等を考慮して決定するものとする。
4 監査委員は、財務監査等の証拠を評価した結果、想定していなかった事象若しくは状況が生じた場合、新たな事実を発見した場合又は不正の兆候若しくは不正の事実を発見した場合には、適宜監査手続を追加して必要な財務監査等の証拠を入手するものとする。
(各種の監査等の有機的な連携及び調整)
第15条 監査委員は、各種の監査等が相互に有機的に連携して行われるよう調整し、監査等を行うものとする。
(監査専門委員の選任、他者情報の利活用及び調整)
第16条 監査委員は、必要に応じて監査専門委員を選任し、必要な事項を調査させることができる。
2 監査委員は、監査等の実施に当たり、法第199条第7項に規定する財政援助団体等の監査役、監事等と必要に応じて連携の上、情報収集を図り、効果的かつ効率的な監査等の実施に努めるものとする。
3 監査委員は、前項に掲げる者から得た情報を利活用する場合には、それらの質の管理の状況等に基づく信頼性の程度を勘案して、利活用する程度及び方法を決定するものとする。
4 監査委員は、学識経験者等から意見を聴く場合、その必要性を吟味し、自らの責任において利用するものとする。
(弁明、見解等の聴取)
第17条 監査委員は、原則として、監査等を実施した結果導き出される指摘、意見及び勧告等に関する報告の決定の前に、対象部局等の長から弁明、見解等を聴取するものとする。
第4章 報告基準
3 監査委員は、前2項の監査の結果に関する報告については、当該報告に添えてその意見を提出することができるとともに、当該報告のうち議会及び市長等において特に措置を講ずる必要があると認める事項については、その者に対し、理由を付して、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
4 監査委員は、第4条第1項第7号に規定する監査の結果に関する報告を作成し、議会及び市長等に提出するものとする。
5 監査委員は、第4条第1項第9号に規定する監査の結果に関する報告を作成し、市長又は管理者に提出するものとする。
6 監査委員は、第4条第1項第10号に規定する検査の結果に関する報告を作成し、議会及び市長に提出するものとする。
7 監査委員は、第4条第1項第11号から第14号までに規定する審査を終了したときは、意見を市長に提出するものとする。
(財務監査等の結果に関する報告等への記載事項)
第19条 財務監査等の結果に関する報告等には、原則として次に掲げる事項その他監査委員が必要と認める事項を記載するものとする。
(1) 本基準に準拠している旨
(2) 財務監査等の種類
(3) 財務監査等の対象
(4) 財務監査等の着眼点
(5) 財務監査等の主な実施内容
(6) 財務監査等の実施場所及び日程
(7) 財務監査等の結果
(12) 健全化判断比率審査 健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が法令に適合し、かつ、正確であること。
(13) 資金不足比率審査 資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類が法令に適合し、かつ、正確であること。
4 監査委員は、是正又は改善が必要である事項が認められる場合、その内容を財務監査等の結果に記載するとともに、必要に応じて財務監査等の実施過程で明らかとなった当該事項の原因等を記載するよう努めるものとする。
5 監査委員は、重大な制約等により重要な財務監査等の手続を実施できず、財務監査等の結果及び意見を決定するための合理的な基礎を形成することができなった場合には、必要に応じて財務監査等の結果に関する報告等にその旨、内容及び理由等を記載するものとする。
(住民監査請求に基づく監査の結果の通知等)
第20条 監査委員は、第4条第1項第8号に規定する監査について、請求に理由がないと認めるときはその理由を請求人に通知し、請求に理由があると認めるときは議会、市長等又は職員に対し期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を請求人に通知するものとする。
(監査委員の合議)
第21条 次に掲げる事項については、監査委員の合議によるものとする。
(2) 前項の報告に添える意見の決定
(3) 第1号の報告に係る勧告の決定
(4) 第4条第1項第8号に規定する監査に係る法第242条第4項の規定による勧告、同条第5項の規定による監査及び勧告並びに同条第10項の規定による意見についての決定
(5) 第4条第1項第9号に規定する監査に係る法第243条の2の8第3項及び公企法第34条の規定による決定並びに法第243条の2の8第8項後段及び公企法第34条による意見の決定
(6) 第4条第1項第11号から第14号までに規定する審査に係る意見の決定
(7) 法第198条の4第1項及び第4項の規定による監査基準の策定及び変更
(8) 法第243条の2の7の規定による市長等及び市の職員(法第243条の2の8第3項の規定による賠償の命令の対象となる者を除く。)の損害賠償責任の一部免除に関する条例の制定又は改廃に関する意見
(措置状況の報告等)
第23条 監査委員は、監査の結果を受けた者及び監査の結果に関する報告に係る勧告を受けた者に、適時、措置状況の報告を求めるものとする。
2 監査委員は、監査の結果に関する報告を受けた者及び監査の結果に関する報告に係る勧告を受けた者から、措置の内容の通知があった場合は当該措置の内容を公表するものとする。
3 監査委員は、第4条第1項第8号の住民監査請求に基づく監査に係る勧告に基づき、議会又は市長等から必要な措置を講じた旨通知があったときは、これを請求人に通知し、かつ、公表するものとする。
附則
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月25日監査委員訓令第2号)
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。