○大仙市男女共同参画推進条例

平成20年9月24日

条例第70号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 基本的施策(第8条―第15条)

第3章 男女共同参画審議会(第16条)

第4章 雑則(第17条)

附則

大仙市は、平成17年3月22日の市町村合併と同時に男女共同参画社会の実現に向けて、専門に担当する男女共同参画室を設置し、同年10月「大仙市男女共同参画プラン」を策定した。この計画に沿い、市民や事業所を対象としたアンケート調査の実施や男女共同参画に関する講演会、地域団体への出前講座、写真や一行詩等コンクールの開催など、さまざまな市民への啓発活動を進め、平成19年11月17日には男女共同参画都市となる宣言をし、記念フォーラムを開催したことで市民の気運が高まってきている。しかし、依然として性別による役割分担意識やそれに基づく社会慣行が根強く、男女がそれぞれの個性を活かし十分に能力を発揮できるまちづくりの妨げとなっている。

また、国全体としては、少子高齢化や家族構成の多様化など地域社会の変化や情報技術等の進展による職場環境の変化への対応も求められている。このため国では、男女共同参画社会の実現に向けての施策として、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の推進を掲げており、職場・家庭・地域の人々の意識や行動を変えていくことが重要であるとしている。

このように男女共同参画社会を実現するためには、行政による取組だけでなく、市民一人ひとりの意識改革や自主的な行動と努力が必要不可欠であることから、市、市民及び事業者のそれぞれの役割を明確にし、三者が一体となって取り組んでいくことが必要である。

ここに、大仙市の男女共同参画の推進について、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにし、女性と男性がさまざまな分野において共に参画し、喜びも責任も分かち合い、それぞれの個性を活かした活力あるまち「ともに輝く男女共同参画のまち大仙市」の実現に向けて、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって家庭、地域、職場、学校その他の社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に社会の利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべきことをいう。

(2) 積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会についての男女間の格差が生じている場合において、その格差を改善するため必要な範囲内で、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に住所を有する者、勤務する者及び在学する者をいう。

(4) 事業者 営利又は非営利を問わず、市内において事業を営む個人及び法人その他の団体をいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により他の者を不快にさせ、その者の就業環境その他の生活環境を害すること及び性的な言動に対する相手方の対応によって不利益を与えることをいう。

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者など親密な関係にある男女間における身体的又は精神的な苦痛を与える暴力及びこれに準ずる言動等をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次の各号に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられ、性別による差別的取扱いを受けることなく、個人の能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等によって、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。

(3) 男女が性別にかかわりなく社会の対等な構成員として、職場、地域等社会のあらゆる分野における方針の立案、決定その他の活動に参画する機会が確保されること。

(4) 家庭においては、その構成員の協力並びに地域及び社会の支援のもと、子の養育、親の介護その他の家庭生活における活動が就業、就学その他の社会生活における活動とともに円滑に行われるよう配慮されること。

(5) 男女共同参画の推進は、国際社会の取組と密接な関係を有していること及び市における国際化の進展を考慮し、国際的協調のもとに行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画を推進するための施策を実施しなければならない。

2 市は、全ての分野で男女共同参画に影響を及ぼす施策を策定し、又は実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。

3 市は、市民、事業者、国、他の地方公共団体等と連携して男女共同参画を推進しなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、男女共同参画に関する理解を深め、職場、家庭、学校、地域等社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 市民は、市が行う男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、その事業に従事する男女が性別にかかわらず、能力を十分に発揮できる環境の整備に積極的に取り組むよう努めるものとする。

2 事業者は、市が行う男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も社会のあらゆる分野において、直接的又は間接的であるかを問わず性別を理由とする差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント及びドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

第2章 基本的施策

(男女共同参画の推進に関する計画)

第8条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画の推進に関する計画(以下「計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、計画を策定するに当たっては、第16条第1項に規定する大仙市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民の意見を反映することができるような適切な措置を講ずるものとする。

3 市長は、計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。

4 前2項の規定は、計画の変更について準用する。

(広報活動等)

第9条 市は、男女共同参画の推進に関する市民等の理解を深めるため、広報活動、意識の啓発、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(市の組織における積極的改善措置)

第10条 市は、市の組織において、性別にかかわりなく個人としての能力を発揮できるように積極的改善措置を講ずるものとする。

(教育及び学習の推進)

第11条 市は、学校教育及び生涯学習において、性別にとらわれず個人としての能力と適性を身につけられる取組を促進するものとする。

(家庭生活における活動と他の活動の両立支援)

第12条 市は、男女がともに家庭生活における活動と職場、地域等における活動を両立することができるように、必要な支援を行うよう努めるものとする。

(調査研究等)

第13条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、及び実施するために必要な情報の収集、分析及び調査研究を行うものとする。

(男女共同参画強化月間)

第14条 市は、男女共同参画の推進について、市民及び事業者の関心を高め、及び理解を深めるとともに、男女共同参画の推進に関する活動が積極的に実施されるようにするため、男女共同参画強化月間を設けるものとする。

2 男女共同参画強化月間は、毎年11月とする。

(苦情及び相談への対応)

第15条 市は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策について、市民又は事業者から苦情の申し出があった場合には、関係機関と連携を図り、速やかに適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画を阻害する要因による人権の侵害に関し、市民又は事業者から相談の申し出があった場合には、関係機関と連携を図り、速やかに適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

3 市長は、市民又は事業者から苦情又は相談の申し出があった場合で、必要があると認めるときは、第16条第1項に規定する大仙市男女共同参画審議会の意見を聴くことができる。

第3章 男女共同参画審議会

(男女共同参画審議会)

第16条 男女共同参画に関する重要な事項を調査審議するため、大仙市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、第8条第2項及び第15条第3項に規定する事項を調査審議するほか、市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に関する事項を調査審議する。

3 審議会は、男女共同参画の推進に関する事項について、必要に応じ、市長に意見を述べることができる。

4 審議会は、男女共同参画について識見を有する者及び公募による者のうちから市長が委嘱する委員16人以内をもって組織する。

5 委員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。

第4章 雑則

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成20年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 第16条第5項本文の規定にかかわらず、この条例の施行後最初に委嘱される男女共同参画審議会の委員の任期の終期は、平成21年3月31日とする。

(大仙市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 大仙市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年大仙市条例第47号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

大仙市男女共同参画推進条例

平成20年9月24日 条例第70号

(平成20年10月1日施行)