農者研修施設の夏(令和7年度)

7月、ほとんど降らなかった雨も8月に入り、ようやくまとまった雨がほ場に降り注ぎました。乾いたほ場が雨を吸収していく光景に安堵しました。

春に植えた夏野菜も収穫・出荷準備の最盛期となり、並行して秋収穫の作物の播種や定植も行っています。

研修の様子

管理機でネギに土をかける研修生
ニンニクの選別を行う研修生
ネギの直売準備を行う研修生
ツルムラサキの出荷準備を行う研修生
秋ブロッコリーを定植する研修生
ニンジン播種用の畝を立てる研修生

8月2日、9日  

2日には西部新規就農者研修施設、9日には東部新規就農者研修施設にてオープンキャンパスが行われました。

今年で3回目の開催となり、「大仙ふるさと博士育成事業」の一環として教育委員会の事業と連携し、2日間で市内から50組近い親子連れが来場し、他にも美郷町や仙北市等の市外からの来場もありました。

体験内容は昨年に引き続き、秋田クボタ協力によるミニドローンの操縦体験、西部では「ネギの皮むき体験、トマトの収穫体験」、東部では「ツルムラサキとブルーベリー・ブラックベリーの収穫体験」を行いました。また、今回から新たにペットボトルを活用したミニプランター作り(エディブルフラワーとラディッシュの播種体験)を行いました。

研修生たちはオープンキャンパスに合わせてほ場の除草作業や整理整頓を行ったり、当日も参加者に対して収穫や播種の方法などのアドバイスをしたりと、日ごろの研修の成果を発揮する機会となりました。

2日のオープンキャンパスの様子

参加者がトマトの収穫体験の様子
ネギの収穫体験する親子の様子
ペットボトルプランター作成をしている子どもたち
ペットボトルプランターに土を詰める参加者

9日のオープンキャンパスの様子

ツルムラサキの収穫方法をアドバイスする研修生
ブラックベリーの収穫体験をしている参加者
ペットボトルプランターを作成している参加者
展示している農業機械を見物する参加者
自分が育てた農産物を販売する研修生
秋田クボタブースでドローンのおもちゃを操縦する研修生

8月7日

JA秋田おばこトマト部会の会員を対象とした株式会社サカタのタネ主催によるトマトの現地栽培講習会が東部新規就農者研修施設を会場に開かれ、研修生も参加しました。

講習会では、盛夏時の管理の方法について、「空梅雨や高日照時には、日射に加えて気温の蒸散により、土壌と空中の湿度低下を招くため、気温(夜温)に合わせた水管理が重要になる。8月の花は単価の高い秋への安定収量につながる」と説明がありました。

トマト農家も高温期の管理を重要視して作業しており、より一層、安定収量につなげるために液肥の施用方法や湿気対策など熱心に講師に尋ねていました。研修生も高温期の管理の重要性を学び、今後の管理を行うためのアドバイスを受けていました。

参加した部会員の方から、「きれいに管理されている」とお褒めの言葉をいただき、トマト担当の研修生はとても喜んでいました。

栽培講習会の様子

ハウス内の圃場で講師の話を聞いている研修生の様子
資料を確認しながら講師の話を聞く研修生
東部研修施設のトマトを確認する部会員
東部研修施設のトマトを確認しながら管理方法を学ぶ部会員

8月19日午前

この日の午前は、西仙北地域の農事組合法人宿ファームのほ場をお借りして、研修生や大根の生産農家を対象に、スマート農業研修会が行われました。ほ場での実演を行う前に、近くの会館で農業機械の安全講習会が行われ、

  • トラクタの事故はほ場ではなく公道を走る際に起きることが多い。
  • 時速15キロ以上の機械に乗るには大型特殊免許が必要になる。
  • 操縦歴3年以下の事故が多く、特に3年目の操作に慣れたあたりで事故が多発している。
  • 田植機は方向指示が出せないため、公道での運転をしてはいけない。
  • 小型管理機や草刈機等でもかなり強い力が作用するため注意して作業を行うこと。

などの説明がありました。

 「春と秋の農繁期にトラクタやコンバイン等の事故が多発する傾向があり、今後秋の作業時には十分に気を付けて作業を行ってください」と呼び掛けていました。

安全講習会の様子

地元集落会館で農業機械の危険性について学ぶ研修生
地元集落会館で、事故につながる操縦について講師の話を聞く研修生

講習会後、ほ場に移動しトラクタに大根の播種用アタッチを取付け、自動操舵による播種作業を実技研修が行われました。

クボタの自動操舵トラクタは、ほ場の外周を走り情報を登録することで、2年目以降も記録したほ場を記憶しているため、ロータリーや畝の高さ、幅を登録すると自動で作業を行ってくれます。

初めに、今年の4月から同法人に就農した西部研修施設の研修修了生がトラクタ操縦のお手本を見せてくれました。慣れた手つきでスムーズに操縦する姿に成長を感じました。

研修生も株式会社秋田クボタの職員にサポートしていただきながら、操縦を体験しました

実技研修の様子

現場で株式会社秋田クボタの職員の説明を聞く参加者
ほ場で自動操舵付トラクタの操縦のお手本を見せる研修修了生
ほ場でのトラクタの操縦体験、株式会社秋田クボタの職員に同乗してもらい操縦体験をする研修生
ほ場で自動操舵付トラクタの操縦を行いながら畝を確認する研修生          

8月19日午後

午後には、早朝に収穫したメロンの選別作業を行いました。

袋から出して並べる人、重さを計り記載する人、重さごとに並べる人に分かれ、役割分担をして作業を行いました。

メロンは、糖度15度以上で収穫となり、その後、1週間前後追熟することで食べごろとなります。

担当した研修生は、昨年の反省を生かして栽培し、前年より良いものができたと喜んでいました。

選別作業の様子

メロンを包み紙から取り出す研修生
メロンの重さを計る研修生
メロンの重さを記入する研修生
メロンを重さごとに並べる研修生

8月22日 

この日は場外研修を行いました。午前は秋田県総合食品研究センターを訪問し、加工について学びました。

始めに概要について説明していただきました。

「秋田県総合食品研究センターは秋田県の試験研究機関の一つであり、観光文化スポーツ部食のあきた推進課に属しており、

  • 加工技術開発チーム 「秋田の農林水産物を活かした食品開発」
  • 発酵食品チーム 「新しい発酵食品の開発」
  • 酒類チーム 「清酒の品質向上や多様な酒類の開発」
  • 食品生物機能チーム 「ヘルスケアのための機能性食品開発」

の4つのチームに分けられ、企業との共同研究や座学、実習の研修等も行い、秋田県の食品産業の振興と県産農林水産物の利用拡大を図ることを役割としている」と説明がありました。

その後、センター内を案内していただき、研修生は初めて見る設備に興味を示していました。

見学の様子

秋田県総合食品研究センターの概要について学ぶ研修生
蒸留器を見学する研修生
加工施設にある機械を見学する研修生
酒米を熱心に見学する研修生

 

午後からは秋田県農業試験場の参観デーへ。品種改良や生産技術の向上を目指し、日々研究が進められている農業試験場の研究ほ場、研究内容などを視察しました。アスパラのほ場では、人の靴によって病気が入り込まないように靴カバーをはめて作業を行っていました。また、水田のほ場では、初めて見る品種の稲がたくさん植えられており、研修生も「どんなお米が出来るんだろう」とじっくり観察したり、栽培方法について農業試験場研究員に質問したりしていました。

参観デーの様子

アスパラのほ場を見学する研修生
農業試験場の研究員と水稲について話をする研修生
農業試験場の研究員の説明を受ける研修生
農業用資材を熱心に見る研修生

8月27日 

秋田市園芸振興拠点センターを会場に、市町村等研修施設情報交換会が開かれました。

県内には、県農業研修センターのほか能代市、秋田市、大仙市、横手市、JA秋田しんせいとJA秋田たかのすが農業研修施設を設けて新規就農者研修を行っています。

情報交換会では、各研修施設の指導方針や今後の課題、県への要望など、課題解決に向けた意見を交換し合いました。

意見交換会の様子

意見交換会資料
秋田市県芸振興拠点センター作業棟の写真

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