君も農業をやらないか(7月編)
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新規就農者研修施設の夏……7月編
今年は春から好天の日が多く、梅雨に入ってからもほどほどの雨でした。
秋田県の7月は、夜間の最低気温が25度以上の熱帯夜は4日だけで、エアコンや扇風機を使わなくてもしのげる夜が続きました。
昼夜の大きな寒暖差は、農作物の光合成で得た栄養(糖分)が夜間に消費されるのを抑え、作物に甘みやうま味をギュッと蓄えさせる効果があり、農作物は全般的に美味しく育っているようです。
7月1日 千葉県八街市議会・会派行政視察
八街市は千葉県のほぼ中央に位置し、東京から50キロメートル圏内、京葉工業地帯から20キロメートル、成田空港から10キロメートル。市の中央部は市街地を形成し、その周囲には平坦な畑作地帯が広がっており、水田地帯は点在しているそうです。基幹産業である農業は、ニンジン、サトイモ、ダイコン、落花生、スイカなど野菜が中心の都市近郊型農業で、落花生は日本一産地とか。
稲作を主とする大仙市の農業とは大きく異なり、気象条件も違いますが、農業後継者不足という問題は共通です。
大仙市では、秋田県で最初に平成15年度から旧太田町が新規就農者育成研修を始め、合併後の平成25年度には市西部地域にも研修施設を設けるなど、先進的な取り組みに議員から高い関心が集まり、また施設見学では耐雪仕様のハウスのパイプの太さ(直径32ミリ)に驚いていました。
最後に「何よりも、新規就農者を育てようという一生懸命な職員の皆さんの熱意を感じた」と言ってくれました。



7月2日 ニンニクのインターン
ニンニクを就農品目の一つに予定している研修生が、研修修了生の家族が営む農業法人で4日間のインターン(就業体験)。
研修施設では、毎年30品目前後の作物を栽培していますが、面積はそれぞれ数アール程度であり、規模感や規模に伴う作業量などの感覚を養うため、研修生を積極的にインターンに出しています。
今回のインターン先では、十数人の働く人たちが朝5時に集合して涼しいうちにニンニクを収穫し、その後は休憩を取りながら夕方5時までニンニクの根切り作業などを行っていました。この農業法人では、ニンニクのほ場近くの福祉施設利用者の方々にも作業をお願いしており、「農福連携」の取り組みがなされていました。
研修生は「早朝からニンニク農家の日常を経験することで、来年の就農に向けて具体的なイメージが少しつかめた。青森県の出荷先にも同行させてくれるとのこと。就農後もこの農業法人から、さまざまなことを教えてもらいたい」と話していました。


7月5日&12日 髙橋さんのスイカ
大仙市内のあるスーパーで、「大仙市の農家髙橋さんの小玉スイカ」という表示を見つけました。筆者が知る範囲では、大仙市内のスイカ農家は数えるほど、小玉スイカとなれば数軒だけ。もしや東部研修施設の修了生が育てたスイカではないかと思い、スーパーの担当者に出荷者の名前を聞いたら、やはり修了生でした。
スーパーによれば、甘くて美味しいスイカだと好評で、売れ行きがいいとのこと。翌週には「大好評販売中!」とスーパーのチラシに掲載されていました。
夫婦で就農して3年目、今年は栽培面積を拡大し、大玉スイカの栽培にも取り組み、順調に営農している様子に研修施設として安堵しています。
(店内の写真とチラシの掲載については、許可を得ています)



7月23日 JA秋田おばこネギ部会視察研修
秋田県最大のネギの産地は、「白神ねぎ」で有名なJAあきた白神管内(能代市、藤里町)。白神ねぎは、戦後間もない昭和25(1950)年ごろに栽培が始まり、昭和47(1972)年に国の指定産地となり、平成24(2012)年にはJAあきた白神が「白神ねぎ」を商標登録するなど70年以上の歴史があり、現在は全国有数のネギの産地となっています。
来春、ネギで就農を予定している研修生が視察研修に参加。視察先はJAあきた白神のネギ部会長のほ場と、能代市農業技術センター(センター内に能代市「ねぎ課」がある)。
部会長宅では、ほ場からの運搬には軽トラに自作の運搬台を積み、結束用の「マキマキ」を使う必要がない、ねぎのとろみが中央のくぼみに流れ落ちるように運搬台に傾斜をつけている等の工夫がされていました。


農業技術センターでは、7、8、9、10月採りの各作型に適する品種を試験しており、これまでの品種試験の結果から、各月ごとに適する品種を農家に情報提供しているそうです。

7月24日 葉牡丹、ストックの種まき
葉牡丹は華やかさとボリュームがあり、正月の縁起物として需要があります。
ストックは、まっすぐ伸びた太い茎にフリルのようにたくさんの花を付け、甘い香りと花持ちがいいことから、冬から春にかけて人気がある花です。
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葉牡丹

ストック
研修では、葉牡丹もストックもハウスの葉物野菜などの後作として栽培しており、7月下旬に種を播き、8月に苗を定植し、12月中には出荷を終える(暖房をかけない)ことでコスト低減し、収益を上げることを目指しています。
この日は、東部、西部の研修生が合同で葉牡丹、ストックの種まきをしました。
2.5センチ四方の枠に土を入れたセルトレイに小さな種子を蒔く作業は、春からさまざまな作物で経験しており、かなり慣れてきているとはいえ、やはり大変。東部、西部の研修生合同作業はめったにありませんが、和気あいあいと楽しく作業を終えました。


7月29日 ニンニク出荷目揃い会
JA秋田おばこ園芸振興拠点センターで開かれたニンニク目揃い会に参加。
今年は、5月のニンニクが大きくなる時期の水分(雨)がちょうど良く、また夜温が低かったことで日中蓄えられたエネルギーがニンニクを大きくし、豊作傾向にあるとのこと。
ニンニクの収穫が終わり、総仕上げは乾燥。ニンニクの栽培は、途中で病気等が出てもフォローできるが、乾燥が悪いと出荷後にカビや腐敗の原因となると注意喚起がありました。
この日は研修修了生も2人参加しており、今年の状況を聞いたら「ほぼ順調に育った」、「ほ場の水持ちが悪く、少し水分不足で粒がやや小ぶりだが昨年よりはいい」とそれぞれ話してくれました。


7月30日 ストックの八重鑑別
ストックは、種を播くと花が一重と八重が約半々の割合で育ちますが、商品としては八重のものが求められます。
ストックの種を播いてから1週間ほど、芽が出て小さな葉を広げたタイミングで、価格の高い八重咲きの株を残し、一重咲きの株を抜き取る「八重鑑別」作業を、仙北地域振興局農業普及課の職員から指導を受けながら行いました。
2.5センチ四方の枠には種を3粒ずつ播いており、「基本的には3本の幼苗から緑色が薄くて大きい葉のものは残す、小さくて緑色が濃いものは抜いていく」と説明を受けました。緑色が濃いか薄いかを見分けるのはけっこう難しく、それでもだんだん目が慣れて作業スピードが速まりました。
葉がもう少し大きくなった段階で2回目の鑑別作業を行い、八重咲きの精度を高めます。



