新規就農者研修施設の冬(令和7年度1月)- 大仙市農業振興情報センター
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新規就農者研修施設の冬(令和7年度1月)
昨年の年末から降雪量が増え、累計積雪量が1月31日時点で、東部研修施設がある太田地域で418cm、西部研修施設がある西仙北地域では405cmとなりました。
当研修施設でも、積雪によるビニルハウスの倒壊や果樹の枝折れ等を防ぐために、研修生全員で日々の除雪に励みました。
除雪の様子


1月9日
新規就農を目指す研修生は、研修を修了する際に「私の営農計画」という、将来にわたり持続可能で安定した農業経営を行うため、営農作物、栽培技術、販売先、資金計画(収支予算)などを5年先まで具体的に可視化した計画書を作成し、市および県に提出する必要があります。
この日は、ネギで就農予定の研修生が、栽培面積に対する経営収支や労働時間、減価償却など、営農計画の策定方法について学びました。
営農計画作成の様子


1月16日農業基礎講座(1)
16日から2月20日までの毎週金曜日午後は、研修生のほか一般参加者も対象にした農業基礎講座を開催し、第1回目は仙北地域振興局農業振興普及課の職員を講師に水稲・大豆栽培について学びました。
水稲について東北農政局は令和7年産の水稲作柄概況について10aあたり576kgと発表しました(12月12日公表)。
仙北管内の1等米比率(水稲うるち米)は95%で前年より高く、着色粒及び形質による落等が見られましたが、品質は良好だと説明がありました。
また、本年度は6月以降の高温や7月の降雨不足による渇水や8月・9月の局所的な大雨に見舞われるなど、気象変動が多い年次となりました。近年は、地球温暖化による高温や大雨被害の頻度が高まっており、気象変動のリスクを回避するためには、高温に有効な土づくりや水管理などが重要です。
大豆については、播種期である6月は好天日が多かったことから、播種作業は順調に進みました。しかし、7月は降雨不足により乾燥してしまうほ場が多くみられ、8月上旬の降雨により回復傾向となりましたが、乾燥程度が強かったほ場の一部では、枯死する株も見られました。
気象変動による被害回避や多収を目指すには、排水対策、干ばつ対策、適期播種、雑草対策、病害虫防除、土壌改良剤の施用など、基本技術が大切になります。
水稲・大豆の栽培講座の様子




1月19日
東部研修施設では、冬期でも収穫できる農作物のひとつとして、ビニルハウス内でカブを栽培しています。例年は、露地で10月に作付け、11月末から収穫、販売をしていましたが、カブは比較的寒さに強く、凍らないように細胞内に糖を溜め込み甘くなる性質があるため、今年は、冬期の栽培に取組みました。
カブは寒さに強いといっても極端な低温は凍害へとつながるため、適切な温度管理や短時間の換気による湿度管理が必要になります。
この日は、カブの大きいものから1回目の収穫を行いました。
収穫の様子



1月23日農業基礎講座(2)
株式会社かねひろの協力を得て、農産物の包装資材の機能性やECサイト(「Electronic Commerce Site」オンラインストアやネットショップなどの総称)等について学びました。
食品包装の役割の根幹は製品の保護性と保存性であり、同時に現代では、販売促進の機能も求められています。
農作物を包装する目的として
- 品質保持 鮮度を保ち、乾燥やしおれを防ぐ
- 衛生管理 外部からの汚れや傷などを防ぐ
- 付加価値 見栄えを良くし、商品としての魅力を高める
ことがあげられます。
また、梱包の資材にも安価で柔らかく曇りやすい素材の「ポリ袋」や機能性に優れ、硬く高透明な「ボードン袋」などの種類があります。用途に応じて梱包資材を選択することで、結露による劣化等を防ぎ、農作物の鮮度を長持ちさせ、廃棄ロスの削減や販売の際の見た目、調理時の使いやすさ等の付加価値のアップにつながると説明がありました。
昨今、自分でECサイトを運営し、農作物を販売する農家も増加傾向にありますが、その際に直面する問題点として、作業負担の増加、集客の難しさ、物流コストの高さ、価格競争の激化などが挙げられます。就農していきなりECサイトを運営するのではなく、栽培技術や経営管理等がしっかりできるようになった段階から始めた方が良いとのことです。
講義後、持参していただいた株式会社かねひろの梱包資材を実際に触れながら、担当者に質問をする研修生の姿がありました。
パッケージング研修の様子




1月30日農業基礎講座(3)
仙北地域振興局農業普及課職員を講師にエダマメ・シャインマスカット栽培について学びました。
野菜担当からエダマメ作りの基本はほ場の選択・土づくりであり、排水対策が第一と考え、排水良好なほ場を選定する。土壌の水分は60%~80%が最適で、小さな団子状の「団粒」を形成している団粒構造のしっかりした土壌を作る。大きな莢、高品質なエダマメを作るには肥沃な土壌を用意することが重要になると説明がありました。
シャインマスカットについては、大粒、種なし、甘い、皮ごと食べられることから消費者ニーズが高いため、秋田県内でも栽培面積が増加傾向にあり、令和4年には巨峰の面積を上回りました。
ブドウ栽培には病害防除や無核化(種なし)処理の効率化のために雨除けが必要となります。また、ブドウは水はけの悪い土壌だと生理障害の要因に繋がります。定植予定地に深さ50cm程度の穴を掘り、降雨後1日経過しても水が溜まっている場合は、定植しないことが重要であり、病害からブドウを守るために、発芽期以降は、10日間隔で防除を行い、天気に注視し雨前散布を心掛けなければいけません。
ブドウで新規就農する場合、苗の定植から出荷できるまで最低5年かかり、収入につながるまで時間がかかるため、園芸や水稲等の複合経営が必要となります。
シャインマスカットの基本的な栽培方法を学ぶことができる機会はなかなか無いため、栽培に興味のある一般の方も複数人参加し、熱心に栽培技術について学んでいました。
基礎講座の様子



