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秋田県大仙市公式ブログ

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奥羽山脈の霧氷

11月26日、青空が広がり太陽が出ていますが、気温は低くピリッとした冷気が漂っています。
奥羽山脈の稜線がくっきりしていて、今日は山がキレイに撮れる予感がした直後、県立自然公園管理員の倉田陽一さんが自然公園の巡回を終えて、太田支所に立ち寄ってくださいました。
なんともタイミングの良いことです。「いい写真ありますか?」という私の言葉を待っていたかのように、倉田さんは「これ、何だと思う?」と撮った画像を見せてくださいました。

雪でもないし、霜でもないように見えます。考えた末に「樹氷?」「違う。これは、霧氷(むひょう)」と教えてくださいました。今日は奥羽山脈の小鷲倉で霧氷の写真が撮れたとのこと。霧氷は過冷却された霧粒が風で木などに吹き付けられ、その刺激で氷となってついたもので、まるで白い花が咲いたように見えます。
霧氷を撮影できるのは珍しく、朝からキンと冷えていて、さらに霧氷がついた後に風がほとんどないため、お昼近い時間までカメラにおさめることができたと言います。
こまめな巡回をしてくださっている倉田さんでなければ、カメラにおさめることのできない風景ですよね。貴重なショット、倉田さんの許可をいただき、皆さんにもおすそわけです♪

南外小学校の児童が台風の被災地へ義援金贈呈

南外小学校の児童は11月8日、台風19号の被災された方々へ義援金13,600円を贈呈しました。
10月27日に行われたなんがい地域祭「おらだの秋フェス2019」で、南外小学校の5・6年生が「われらこめこめ探検隊」として、お米のレポート発表や自分たちで栽培・収穫したお米とさつまいもの販売を行いました。

 

なんがい地域祭「おらだの秋フェス2019」の販売の様子

その収益金の使い道を考えたところ、台風で被害を受けた方々の支援に役立てたらどうかという意見に皆さんが賛同し、義援金の窓口機関である大仙市共同募金委員会に贈呈されました。
贈呈式には、5・6年生が出席し、代表の児童は、「台風で被害を受けた方々の支援に役立ててください」と話し、市共同募金委員会南外委員会の伊藤忠志会長は「皆さんのあたたかい気持ちをお預かりし、被災された方々に届けます。」と述べました。

 

髙瀬教頭先生のお話

 

市共同募金委員会南外委員会の伊藤会長と代表の児童

 

5・6年生の皆さん

空如作品 東京へ

来年2020年3月13日から5月10日まで、東京国立博物館 本館特別4室・特別5室で特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」が開催されます。これは、東京五輪・パラリンピックにあわせ政府が主催する「日本博」のプロジェクトの一つです。

この展示では法隆寺金堂壁画の模写や修復の歴史をテーマとし、江戸時代から明治・大正・昭和時代にかけての模写とガラス乾板によるコロタイプ印刷版を展示します。
そのなかで、鈴木空如筆の金堂壁画も展示されることとなりました。空如は、明治から昭和にかけて壁画12面を原寸大(大壁約3m×2.5m、小壁タテ3m×1.5m)で3度模写しました。
今回の展示では、東京国立博物館に寄託されている2作目と、大仙市が所蔵する1・3作目の1・6・10号大壁(6点)のほか、下絵8点の計14点等が展示されます。

10月30日・31日には、この大仙市所蔵の14点について、東京国立博物館へ搬出する作業が行われました。
模写図の1作目は昨年11月に箱根の吉池旅館から大仙市に寄贈されました。今回の展示で初めて一般に公開されます。3作目が搬出されるのは、平成26年の東京藝術大学大学美術館での展示以来2回目とのこと。搬出作業は細やかに厳かに行われていました。なかなか見ることのできない一つ一つの作業に、思わず見入ってしまいました。

模写図を慣れた手つきで丁寧に扱うのは、配送業者の担当の方々、文化財運搬には絵画や仏像など専門とする担当の方がいるそうです。丁寧なのに手早く、作業に無駄がありません。

一枚一枚の点検をされているのは、東京国立博物館の学芸研究部保存修復課保存修復室の瀬谷室長です。作品の現状を点検し、太田地域からの搬出前と搬出後、東京での展示後と帰ってきてからと全部で4回も点検をするそうです。

展示の前後や運搬により作品に変化がないことを確かめることはもちろんですが、この点検により、のりの剥離や保管についてのアドバイスもあり、作品の現状を知る貴重なタイミングともなっていました。
点検を一枚一枚行うのは、相当な気遣いと体力が要ります。この日は肌寒い日でしたが、一枚の点検が終わると汗ばむほど。まさにプロフェッショナルの仕事を見た気がしました。

こうして、空如作品は東京へと旅立ちました。
今年の春、太田文化プラザで「鈴木空如筆法隆寺金堂壁画展」が行われた際には、3作目と1作目のレプリカをじっくりと鑑賞することができました。地元太田を離れている方も、来年春には東京国立博物館で太田から搬出された空如作品もご覧になることができます。空如が生涯で模写した3組の金堂壁画が、一つ屋根の下に揃うのは70数年ぶりだそうですよ。国宝・百済観音も東京では23年ぶりにお出ましになるまたとない機会です。ぜひこの機会にご拝観ください。

特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」の公式サイトはこちらから↓
https://horyujikondo2020.jp/

秋田太田ライオンズクラブ 奉仕の秋

 太田地域の真木渓谷、川口渓谷の紅葉は10月下旬に見ごろを迎え、県内外から多くの方が渓谷を訪れ、紅葉を楽しみながらの登山や林道・遊歩道散策を楽しんでいただきました。

 さて、時は少し遡りますが、紅葉シーズンを目前にした10月13日(日)、川口渓谷では秋田太田ライオンズクラブの皆さんによる遊歩道の草刈り作業が行われました。
 この作業は、紅葉探勝に渓谷を訪れる方々が快適に散策できるようにと、ライオンズクラブの地域貢献活動の一環として、昨年度に引き続き実施いただいたものです。
 当日作業をしてくださったのは、藤谷知義会長を始めとする9名のクラブ員の皆さんです。 ちなみにこの日は台風19号の影響により、太田地域では早朝まで強い風雨に見舞われました。直前まで作業を実施できるか不安なところもありましたが、作業開始の9時頃になると天候も落ち着き、無事に決行することができました。

 作業箇所は川口渓谷遊歩道の車両乗り入れ最終地点からオブ山入口への分岐付近まで、約1kmの区間。今年の夏は天気がよく、暑い日も長く続いたため、遊歩道脇には雑草が茂り、一部では藪が遊歩道にせり出している箇所も見られます。
平地での下刈りとはまた違い、斜面に向かっての作業もありますが、草刈り機を巧みに使いながら丁寧に作業が進められました。

 作業を進めることおよそ2時間半、予定していた箇所の作業が終了。

 藤谷知義会長は、作業を振り返って「ここは川口遊歩道の第一印象を決めるともいえる最初の区間ということで、訪れる方々の目線に立ってやることが大切と思って作業をした。ちょっと刈りすぎてしまったかもしれないが、紅葉時期にはたくさんの方々が、快適に散策にしてくれれば嬉しい」と話していました。

 川口渓谷は、真木渓谷と並んで大仙市内有数の紅葉探勝スポットの一つです。
 その魅力を、地元太田の皆さんが認識し、自分たちから率先して奉仕活動を実施してくださることを頼もしく感じたところでした。
 台風一過の秋空の下、心地よい奉仕の汗をかいてくださった皆さん、本当にお疲れ様でした。

太田地域文化講演会

10月21日、太田文化プラザで太田地域文化講演会が開催されました。この講演会は、太田地域自治組織連絡協議会(長澤信徳会長)の主催で、太田地域にゆかりのある方を講師に迎え、ふるさと太田の良さを再認識するとともに、地域住民の教養と文化意識の高揚を目的に毎年開催しているものです。

今年は太田地域の誘致企業である株式会社ローズメイの原田青(せい)社長が「秋田の元気を作る~ローズメイの取り組み~」と題して講演をしてくださいました。

太田地域自治組織連絡協議会の長澤会長から開会にあたり、「ローズメイは太田の地に会社をおかれ地域の発展のために尽力されている。外から見た目と、住んでいる人の目では、私たちの気づかない部分があると思う。講演を聞いて、今日参加される特に中学生の皆さんには、刺激を受けてもらいたい」と挨拶がありました。

 

ローズメイは、昭和30年に前身となる双洋物産株式会社として原田社長の祖父が創業されました。「創業64年、みつばち商品44年」の歴史ある会社です。原田社長は2013年、35歳の若さで3代目社長に就任されました。太田町北開にある秋田工場は2004年6月に操業開始し、ローズメイ商品の製造から出荷までを秋田工場で行っています。
ローズメイは、大人気商品「オレンジスライスジャム」や、角館駅前にできた直営店、そしてその経営手腕をふるう若き原田社長が注目を集め、テレビや新聞・雑誌などにもたびたび取り上げられています。今回の講演会は、まさに「秋田の元気を作っている」方のお話が聞けるとあり、約200名の来場者がありました。

 

講演では、まずはローズメイの会社の紹介がありました。ローズメイの経営理念のコンセプトは「お福分け」だそうです。薔薇やみつばちといった、自然の恵みをたっぷりとうけた原料を使用した商品を作り提供し、お客様にその恵みを受け取り健康で幸せな人生を歩んでもらいたいとの想いから「お福分け」を掲げているそうです。安心でおいしい商品の中に、そんな優しい気持ちも加味されているとは驚きでした。
経営としては、2011年3月11日の東日本大震災がターニングポイントとなったそうです。停電による原料の廃棄、風評被害による定期購入の解約急増などで売り上げが激減しました。そんな中でも、従業員の雇用は守り、一緒に売り上げ増を目指しがんばったといいます。その経験から「秋田の元気を一緒に作りたい」と考えるようになったそうです。栗駒フーズさんや秋田魁新報社さんなどと新たなつながりが生まれ、47(よんなな)クラブ(全国の新聞社が厳選した逸品を集めたお取り寄せサイト)に参加し、オレンジスライスジャムの大ヒットに結びつきました。その後はクラウドファンディングによる角館のファクトリーショップのオープン、バラ摘み体験をコンテンツ化した観光客の取り込みなど、まさに秋田の元気を作り出しています。

 

講演の参加者に中学生が多かったことから、自らの子ども時代のこともお話ししてくれました。子どもの頃は冬休みは太田に滞在していることが多かったそうです。大台スキー場でスキーを覚えたこと、近所のお兄さんと「近くのラーメン屋」と言われ大曲までラーメンを食べに行ったエピソードなどをお話ししてくださいました。中学生の皆さんに、今の現状に満足していない人も未来には楽しいことが待っている、今いる世界が全てではなくこれから広い世界が待っている、「自分なんてどうせ」と思っているとそんな自分になってしまう、自分の可能性は自分が一番信じてほしいと語りかけました。夢や目標は「自分で決めること」、そして「夢を使命感に変えてほしい」とも強調します。自分の中から湧き出た夢や目標、その先に「社会に応える使命感」を考えてすすんでもらいたいと訴えました。

最後に「ハチドリのひとしずく」というお話を紹介してくださいました。森の木に雷が落ちて山火事が発生し動物たちが逃げ出しました。そんな中、小さなハチドリだけは山に残り、くちばしに水をためては燃え盛る火に向かってに水をポトリを落とし続けました。動物たちにどうしてそんなことをするのか聞かれたハチドリが「私は私にできることしているの」と答えたというお話です。誰かがやってくれると思っていると誰もやってくれない、自分が自分の置かれた立場でできることをできるだけやることが大事だとお話しされました。

講演後には中学生から、地方で同じような取り組みをしているところは他にありますか?といった質問や、太田にもお店をつくってもらえませんかという提案までありました。原田社長のお人柄やお話の内容から、中学生にも大人にもわかりやすく親しみやすい講演となりました。

 

講演会の最後には会場全員で秋田県民歌の斉唱がありました。ピアノの生演奏とあかまつコーラスグループの先導により、今年は1番から4番までフルコーラスで歌いました。

原田社長、この度は貴重な講演をありがとうございました。
これからも、秋田のそして太田の元気を作る先導役となって、ますますご活躍されることを願っています。
参加いただきました皆さん、ありがとうございました。これからも、地元でがんばるローズメイへの感謝と応援をともにしていきましょう!