ふるさとこんにちは

秋田県大仙市公式ブログ

Home » 2019 » 2月

太田町民謡同好会 「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業表彰

2月25日(月)、仙北地域振興局で「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業表彰式が行われました。
「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業は、秋田県が地域づくり活動の活性化を図ることを目的とし、自立的・主体的な活動を行っている団体・個人を表彰する事業です。今年は7団体1個人が表彰を受け、そのうち太田地域では「太田町民謡同好会」が受賞されました。

太田地域からは今まで、24年度に「ちっちゃいもの倶楽部」、27年度に「小神成集落会」、28年度に「太田北小学校児童会」「太田一杯の味噌汁プロジェクト」、29年度に「おおた花の会」が表彰を受けています。
どの団体も、「太田地域のまちづくりと言えば、この方たち」という、地域を元気にする活動を頑張っている皆さんです。今年の受賞団体「太田町民謡同好会」は、昭和59年に太田地域の民謡を愛好する方々によって設立されました。毎年太田で開催される「秋田おはら節全国大会」では、第1回大会から実行委員として大会運営を支えてくださっています。大会当日にはおはら節の伴奏を務め、県内外から出場される方をおもてなしし、民謡を通じた地域の活性化を図っています。また、3年前からは「秋田おはら節講習会」を主催し、正しい民謡の継承に取り組んでいます。

さらに、特色ある活動として、9年前から大曲農業高等学校太田分校の生徒へ民謡指導をおこなっています。太田分校の特色ある学校づくりに全面的に協力し、総合学習の時間を使い月2回ペースで全10回、民謡や手踊りの指導を行っています。太田町民謡同好会の皆さんは、その授業時間に合わせ学校を訪問し、手踊り・唄・尺八・三味線・太鼓などパートごとに指導役を務め、若い世代への民謡継承にご尽力されています。その成果は毎年太田分校の全校民謡発表会で披露され、地域住民や保護者の皆さんに感動を与えています。
このような民謡を通じた地域の活性化をはかる活動が評価され、この度、栄えある受賞となりました

表彰式に参加した高橋利郎会長は「地元が元気でないといけないと思い、地元を大事にして活動しています」と地域への想いを語りました。また、活動の内容を説明し「地域での民謡の継承・普及をはかるためにも、公民館事業や地域子ども会などでも機会があれば民謡指導をしていきたいと思っています」と今後の活動への意欲をスピーチしてくださいました。

表彰式では、主催者あいさつとして草彅作博仙北地域振興局長が「皆さんの活動は、地域の方々が地域を愛する大事な取り組みで、地域のための貢献活動である。このような活動が地域のあちこちにあることで、これからの『せんぼく』を支えていく活動となりうる。皆さんの活動により、他地域からみてここは良い地域だと思われることにつながる」とお話がありました。
また、受賞された方のスピーチの中には、「楽しそうに活動している人が多いと、イベントに来た人も楽しい気持ちになり、楽しみはつながっていく」ということをお話しされた方がいました。また「大人がこの地域で楽しく頑張っている姿を見せることで子ども達はこの地域へ戻ってくるのではないか」と語った方もいます。
受賞団体の皆さんの言葉には、この地に対する愛着と活動を楽しむ姿が感じられました。地域を元気にするには、今暮らしているこの地で、自らが楽しむ姿勢が大事ではないかなと強く感じました。

太田町民謡同好会のほか、大仙市では「大曲商工会議所南部地区協議会(角間川・藤木)」「大仙自然保護の会(大曲)」「にしせん未来塾(西仙北)」が表彰を受けました。
仙北市や美郷町からも3団体1個人が表彰されています。大仙市とは違った発想や資源・地域特性を活かした活動発表がされ、刺激を受け参考になりました。
受賞された皆さん、おめでとうございます。これからの活動も期待しています!

手記集「私の昭和」を発行しました

平成も31年となり、「昭和」がだんだん遠くになってきました。
現在、市民の多くは昭和の戦後生まれですが、やがて昭和の記憶が風化されてしまうおそれがあります。
そこで太田支所では、昭和時代の暮らしや体験、地域の様子などを記録し、戦後の平和で豊かな地域づくりを多くの世代へ語り継いでいくため、平成29年秋に「私の昭和」をテーマにした手記を募集したところ、太田地域内外の31人の方がたから手記を寄せていただきました。
また、過去に広報「おおた」に連載した「鈴木町長が語る町の履歴書」と「明治の男女(ひと)」、そして「時代(とき)の証言」をあわせて太田の昭和の記録として再録し、手記集「私の昭和」(A4版・68ページ)を発行しました。

大正15年生まれの鈴木正吾さんからは、尋常高等小学校から大曲農学校にいたる学校時代から始まり、就職・入営、軍隊生活、終戦復員、そして復職、戦後の復興を400字詰原稿用紙30枚に達筆な字で半生を綴っていただきました。
小田野幸子さん(昭和6年生まれ)は、ピアノを支えに辛い生活を耐えてきたこと
学習院初等科の科長(校長)を務められた髙橋義雄さん(昭和9年生まれ)は、皇族の宮様がたとの交流などの思い出を
福岡功一さん(昭和17年生まれ)は、両親が農地開拓により入植して80年になり、苦労した開墾生活を
鈴木徹さん(昭和22年生まれ)は、身近にある石や棒、枝や紐などで全身を使う昭和30年代の子ども時代の遊びや、木の実、草の実を食べて腹の足しにした野山からのめぐみの思い出などを
髙橋清一郎さん(昭和27年生まれ)は、20代のころ「ギニア共和国の国土基本図を作る」という壮大なプロジェクトに携わった(のちにこの作業はNHKのプロジェクトXに取り上げられ、清一郎さんも登場した)ことを
鈴木弘之さん(昭和31年生まれ)は、昭和45年に太田中学校野球部が初めて全県大会に出場し、準決勝で敗れたが、太田中学校野球部の活躍で当時の太田は「金農旋風」のような現象が起きていたことを
鈴木和賀子さん(昭和38年生まれ)は、運動部の部活動は排球(はいきゅう)部、篭球(ろうきゅう)部などの漢字の名前だったことや高校受検は国語・数学・英語の3教科だったことなど中学時代の思い出を記してくれました。

また、「鈴木町長が語る町の履歴書」(広報「おおた」平成5年5月号から15回シリーズで連載)は、昭和26年4月に長信田村長、昭和30年5月には初代太田村長に就任し、平成7年4月に太田町長を退任するまで通算8期にわたって町勢発展のリーダー役を果たした鈴木孝治氏による終戦後の村づくり、昭和30年の町村合併、財政再建、豊かな農村をめざして村営改良事業や田沢疏水などの国営事業によって農業生産の基盤づくりに取り組んできたことや中学校統合など、まさに昭和の生き証人としての語りをまとめています。

「明治の男女(ひと)」(広報「おおた」平成4年4月号から20回シリーズで連載)は、明治、大正、昭和そして平成を懸命に生きてきた方がたのヒストリーです。

この手記集を読んだ方から、次のような感想が寄せられました。
『その時々を、時代の流れに翻弄されながら、あるいは確固たる自身の道を力強く歩みながら、ここ太田の地に自分を刻みこんできた方がたの貴重な記録である。ここにはまさに本物の「ふるさと」への想いが込められている。地元にあって、ひたすら我が所在での生活を守り続けてきた方がたの(あるいは来ている方がたの)「ふるさと」への思いの強さのすばらしさを改めて感じさせてくれた「私の昭和史」である。』

「私の昭和」は、大仙市内各図書館で閲覧できるほか、太田地域関係者には無料で差し上げています。
太田支所市民サービス課窓口で直接受け取るか、郵送を希望される方は250円相当の郵便切手を次まで送ってください。
〒019-1692(この番号だけで太田支所に着きます)
大仙市太田支所「私の昭和」係 まで

太田文化プラザミニ展示室 「つるし雛展」

「おひなさま」の好感度って永久不滅ですよね。華やかで可愛らしくて、そして子どもの成長を願う気持ちが感じられる、そんなところが老若男女に「おひなさま」が愛される理由じゃないかなと思います。

今、太田文化プラザのミニ展示室では「つるし雛展」が開催されています。娘を持つ母のひいき目でしょうか、ミニ展示シリーズ上、もっとも華やかな展示のような気がしています。

こちらは、「グループさんらび」の皆さんによる手作りです。「さんらび」は「3羽のうさぎ」の意味だそうで、メンバーは髙橋栄子さん(大神成)、金野保子さん(栗沢)、木元信子さん(斉内)の3人。3人とも太陽(Sun)のように明るく、うさぎのように優しく可愛らしい、まさに人柄そのものが「さんらび」のネーミングにピッタリです。

昨年3月にドンパルで「つるし雛展」が開催されましたが、展示を見た谷口支所長がその場で「是非とも太田で展示を」とお願いし、この度太田文化プラザでの展示が叶いました。

展示されている作品は、本を見てつくった全くの自己流と3人とも謙遜されますが、一針ひと針、心を込めた作品はどれも素晴らしく、一人でも多くの方にこの感動を知ってもらいたいなと感じます。
見た目の華やかさと可愛らしさももちろんですが、「つるし雛」の人形一つ一つに意味があることをご存知ですか?どれも健やかな子どもの成長を願うもので、愛に満ちたメッセージがあります。

これを知って観賞することで、より感動が深まりますよ。
例えば「俵ねずみ」…多産でマメな働き者になるように 俵は五穀豊穣の意味

「草履」…早く歩けますように 足が丈夫になりますように

 

この「つるし雛展」は3月いっぱい開催されます。ぜひご覧になってください。

押切の火振りかまくら(中仙地域)

平成31年2月14日(木)午後7時ころより、大仙市下鶯野地区の押切町内会館周辺において、地元の伝統行事『押切の火振りかまくら』がとり行われました。

火振りの行為は、田んぼの厄(鳥獣や病害虫など)を追い払うことを目的としているとの説があるそうです。

町内の方でなくても、お願いすると火振りを体験することができ、私も体験させていただきました。

実際やらせていただくと、厚着をしているので火への恐怖はそれほど感じませんでしたが、煙が目に入ってちょっと苦しかったです。。。

JR田沢湖線の角館駅と鴬野駅の間の線路脇で行われているため、通過する電車をバックとした写真を撮ることもできます。

 

昨年は各地で豪雪、豪雨、台風、地震などの災害が多発し、夏の暑さも災害級と表現されるなど、災難の多かった1年でした。

今年も初詣をされた方は大勢いらっしゃると思いますが、年間を通してこういった行事に参加し、楽しみながら平和な一年を願ってみるのもいいものではないでしょうか。

 

太田の星☆スター軍団

スポーツで活躍する太田の若者紹介シリーズ「太田の星☆」の第3弾、今回は太田中学校の卒業生で、現高校3年生の「スター軍団」を紹介します。
現高校3年生の皆さんの中に、各高校でスポーツ部のキャプテンを務めた方が8人もいます。一学年(58人)から8人もキャプテンを輩出したら、「スター軍団」と呼んでも大げさではない気がします。
この「スター軍団」の皆さんにお話を聞きたい!という願いを、太田中学校の鈴木利浩教頭先生が叶えてくださいました。ありがとうございました。
鈴木教頭先生は、このスター軍団が卒業時に野球部の部長を務めていらっしゃいました。今回のスター軍団には野球部出身が5人、教え子たちとざっくばらんに語っていただきたいと思い、お集まりいただく日程調整から保護者の方への連絡、さらに当日のコーディネーターまでもお願いしてしまいました。

8人のスター軍団のメンバーは
◎大曲農業高校・ハンドボール部主将・髙貝笙也(しょうや)
◎大曲農業高校・野球部主将・佐々木睦月(むつき)
◎角館高校・バレー部主将・永山叶恵(かなえ)
◎秋田北高校・バレー部主将・煤賀愛純(あすみ)
◎角館高校・野球部主将・髙階陽希(はるき)
◎大曲農業高校・サッカー部主将・伊藤奨真(しょうま)
◎大曲工業高校・野球部主将・佐藤雅哉(まさや)
◎大曲高校・野球部主将・髙橋大翔(ひろと)

ざっくばらんにという思いはありましたが、緊張の面持ちの8人。久々に会えた友達同士、おしゃべりする間もなく支所の応接室に通されて、ざっくばらんに話せるわけはありませんよね。それでも、キャプテンを務めあげた責任感のある方たちなので、質問にはきちんと応えてくださいます。
8人顔を見合わせて、誰から話すか目くばせをしたり、挙手が重なると譲り合ったり、恥ずかしさと責任感の狭間に揺れるその行動一つ一つが、高校生と接する機会がない私にはとにかく新鮮でした。

鈴木教頭先生から最初の質問は「高校でキャプテンを務めた皆さんですが、大変だったことは?」
・いろんな中学から集まってくるので、一つにまとめるのが大変だった。
・意思の統一が大変、チームを一つにすることが大変だった。
・先輩の伝統をつないでいけるのか、先輩に近づくことを意識していた。

次の質問は「中学と高校の部活の違いって?」
・練習のキツさが違った。高校で部活動をすることの覚悟が足りなかった。
・高校の部活は自分だけでなく、周りへの指示が必要だった。
・中学ではやらされる感じで、言われたこと、教えられたことをやっていたが、高校では自分でどうしたらいいのか考えることが多かった。

「キャプテンをやってよかったことは?」
・目上の人、大人との会話やマナーについて知れた。
・人の意見を聞くことの大事さに気づいた。
・自分だけでなくチーム全体を見ることで、視野が広がった。
・人前で話すことが苦でなくなった。
・責任感が強くなった。

「チーム内で反発があった場合、どんな対応をした?」
・いつも反発を抑えようとせずに、反発意見を監督に伝えたこともある。
・自分から前向きに考えて、がんばろうと声かけをした。
・さぼり癖のある人がまとまらないように意識した。
・鬼ごっこなど、楽しめるメニューなどを考えて練習した。

キャプテンを自ら志願した方は8人中1人、指導者や先輩が話しあい指名されることが多いそうです。鈴木教頭先生は、「信頼されていた、認められていたことは素晴らしい。一つの中学校からこんなにたくさんのキャプテンが出たのは、30何年も先生をやっているが初めてだ」とお話しされました。

このスター軍団は、どのようにして生まれたのか、お話しの中で自分たちの小中時代を振り返り「小学校でも中学校でも真面目が当たり前の世界だった」という意見がありました。鈴木教頭先生も「んだな。この学年はまじめだった。やるのが当たり前と思ってやれる、そんな環境を作ったのは親だと思う」とお話しされます。スター軍団を育てた背景には、親の行き届いた教えがあったのだと思います。そしてもちろん鈴木教頭先生に磨いていただいたことも大きくあると思います。
このスター軍団は、駅伝の全国大会出場を果たした学年です。

当時のブログ記事はこちから→太田中学校走り抜きました!駅伝全国大会

駅伝部や陸上部のない太田中学校で、走ることに真摯に向き合い、自分のベストを尽くすことそしてタスキを繋ぐことを、全国レベルでできた学年です。話を聞く中で、やはり「真面目な世界」で「当たり前」と思って取り組む、その姿勢こそが信頼され認められる人材へと成長できたことにつながっているような気がします。いい環境、いい仲間に恵まれた皆さんだと強く感じます。

中学校でのエピソードを聞かれると「夏の大会前、先生が奥さんと一緒に50個ぐらい『ゆで卵』を差し入れしてくれたことを覚えている。あの『ゆで卵』は、大会に臨むスイッチだった」とお話しがありました。鈴木教頭先生は「嬉しいな。奥さんにも報告するがらな」と本当に嬉しそうでした。

「これからの意気込みを教えてください」
・野球や駅伝でお世話になった地元に恩返しがしたい。
・年の離れた人とも接するので礼儀に気をつけたい。
・仕事をやめないで、自分に厳しくやっていきたい。
・信念を持って、目標に向かっていきたい。
・親に感謝の想いを伝えたい。

一つのチームを引っ張り活躍してきた皆さんの言葉には力があります。努力し厳しく駆け抜けてきた皆さんでしょうが、功績もさることながら、信頼され認められた人柄がわかるお話が聞けて、大変貴重な時間となりました。新生活に向かって忙しい中、お集まりいただき本当にありがとうございました。

太田支所の谷口支所長からは「それぞれの新生活があると思うが、疲れた時には太田に戻ってきて息を吹き返してほしい」と激励がありました。
そうですよ、地元は皆さんの味方です!欲を言えば太田に戻って、この地域を盛り上げる存在になっていただければありがたいです♪スター軍団の皆さんは太田の誇りです、太田の星☆と思って応援しています!新生活でもガンバレ☆

「払田柵の冬まつり」が開催されました

平成31年2月2日(土)、平安時代の役所跡である国指定史跡「払田柵跡(ほったのさくあと)」で、「払田柵の冬まつり」と仙北公民館による「ゆきんこまつり」が開催されました。

午前中の準備では、強風によりテントが飛ばされたりと、準備作業が難航しましたが、午後からは風も大分弱まり、青空が広がる天気となりました。

当日の様子をご紹介します。

ミニスキー大会

雪上グラウンド・ゴルフ大会

ゆきんこまつり

「雪中宝探し」、「ふるさと○×クイズ」、「福引き大会」

柵麿呂くんが応援に駆けつけてくれました。

鍋まつり

(出店内容:カレー旨麺、キムチチーズ鍋、豚汁、モツ鍋、シチュー、納豆汁、だまこ汁、ソーセージスープ、中華スープなどなど)

蝦夷ほたるづくり(ミニかまくらづくり)

今年も仙北地域の小学生をはじめ、大勢の方々が、約1,000個のミニかまくらを作ってくれました。

 

餅つき

子ども達にも頑張って餅をついてもらい、なんと柵麿呂くんも餅つきを手伝ってくれました。餅つき名人に負けず劣らず見事なつきっぷりです。

餅つき名人がついた餅(きなこ、ごま、あんこ)は、みなさんに振る舞われました。

 

蝦夷ほたる点灯

蝦夷ほたると呼ばれるミニかまくらの中に入れたろうそくに火を灯します。外柵南門をバックに幻想的な光景が広がります。

特設会場となりでは、地元払田地区の若者グループ「払田柵真会」による天筆と火振りかまくらが行われました。

来年もたくさんのご来場をお待ちしております。

開店15周年 太田のパン屋さん「ヴァンヴェール」

「ヴァンヴェール」は、県道11号線(通称角六線)沿いにあるパン屋さんです。今年1月に開店15周年をむかえました。オープン当時、幾度となく足を運び幾度となく完売だったことが思い出されます。太田に勤務となり購入チャンスが増えたように思いますが、思い焦がれる気持ちは今も昔も変わらず。開店時間直後に行かないと売り切れていることがしばしば、人気ぶりは健在です。15周年の節目に、人気のパン屋さんを取材してきました。

「ヴァンヴェール(倉田伸治店長)」では、体に安心な材料を使用して、生地はもちろんのこと、あんこやクリームなどの中身も一つ一つ丁寧に作っています。発酵促進剤や防腐剤を使用せず、自然な味わいとふわふわ感が特徴のパンです。また、地元の素材を使用していることも注目ポイント、取材時には、地元産のカボチャを使用した「日替わりパン」や、地元産のゴボウを使用したパンが「本日おすすめ」として並んでいました。

安心できる材料で作りたてが購入できるのが「ヴァンヴェール」の魅力。そして何よりも、一つ100円(税込)という価格もまた人気の秘密です。この価格は開店以来変えずにがんばっているそうです。いくら人気店と言えどもこの低価格で大丈夫かなと心配になりますが、倉田店長は「食べ物は回すものですから、皆さんに食べてもらうことが大事ですよ。この静かな時代にこの静かな場所に合う価格でやっています」と穏やかにお話しされます。ん~、パンもふかふかと柔らかくて優しい味ですが、作り手の優しさがうつっている!と感じ入ってしまいます。

取材中も、ひっきりなしに来客があります。

地元太田の方はもちろん、千畑の方、仕事の途中だという方などが次々と訪れます。どなたもリピーターのようで「今日は○○ありませんか?」と、お目当てのパンがあるようでした。何人で食べるのだろうと思うぐらいたくさん買っていきますが、気持ちはわかります。パンが並んでいる時間に来店できた幸運を思えば、たくさん買わないともったいない気がしてしまいますからね。
次々とくるお客さんを倉田店長が対応し、調理場では奥さんの伸子さんが焼けたパンを次々と仕上げていきます。 商品の説明はもちろんですが、とにかく接客も懇切丁寧なんです。店内で不自然にカメラを持つ私のことまでお客さんに説明してくださいます。しまいには、大仙市のホームページをみてくださいねと宣伝までしてくださいました。お客さんが要望したパンが陳列ケースになくても、調理場の伸子さんに声をかけると、すぐに出てきたりと夫婦ならではのタイミングでお店を切り盛りします。

倉田店長は毎朝3時に起きて10時の開店にむけて作業にかかるそうです。パンは平均で一日に200個ほど焼くとのこと、パンはもともと寒い地域の食べ物のため、寒い時期の方が少し多めに焼くそうです。人気は「あんぱん」や「クリームパン」、この地域には昔まんじゅう屋さんが8軒ほどあったようで、「甘い物」を受け入れる気質があるようです。スーパーができ自由に買い物はできるようになったが、手の込んだもの・質の良いものを食べたいという思いから、パン屋さんはやっていけるとお話しされます。パンはただの食糧ではなくて、「喜び」「楽しみ」だと語ってくださいました。
そもそも倉田店長がパン屋さんを始めたきっかけも、「パンが好きな物の一つだったから」だそうです。パン屋さんは、職人でもあり、農業者でもあり、芸術家の部分もあると語ります。それは倉田店長を見ていると妙に納得できます。今まで来店してもパンばかり見ていましたが、見渡すと店内の装飾には、アート性を感じるものばかり。

太田出身のジブリ絵職人・男鹿和雄さんと交友があり応援してもらっているとのことで、今年届いた年賀状も飾られていました。パン屋さんで男鹿和雄さんの絵を見られるとは、太田ならではですよね。
取材後気になって調べてみたら、店名「ヴァンヴェール」というのは、フランス語で「緑の風」という意味。自然派・手作りパン屋さん、お店そして倉田店長そのものの優しくて固定的でないスタイルをぴったり言い得ている店名だなと改めて感じました。

「ヴァンヴェール」のパンはもともと大好きですが、たくさんお話を聞く中で、「太田の宝」だなと感じました。15年間、美味しいパンをありがとうございます。太田地域に「喜び」「楽しみ」をもたらすパン屋さんとして、今後もよろしくお願いします。たくさんパンを食べてこれからも応援しますね!
ブログをご覧の皆さん、「喜び」「楽しみ」を求めてのご来店をお待ちしています♪

「ヴァンヴェール」情報

場所/大仙市太田町横沢字山道南81  電話/0187-88-2900
営業時間/10:00~16:00売り切れ次第終了 休日/土日祝日

太田の「家庭教育学級」

太田ではおなじみの「家庭教育学級」、私は太田出身ではないため実はなじみのない言葉でした。現在大仙市内を見渡しても教育委員会が主催となり開催されている「家庭教育学級」は、この太田の取り組みのみです。
「家庭教育学級」は、保護者が家庭教育の重要性を認識し、自らの役割や責任を自覚するよう、教育行政において保護者の家庭教育を支援するとともに学校や地域と連携して家庭教育を充実させる方策として、昭和39年頃から全国で開設が相次ぎました。太田では昭和39年に県内でもさきがけ的に「家庭教育学級」を開設、昭和50年には幼稚園児を持つ保護者を対象とした「家庭教育学級」が開設され、以来、家庭の教育力向上をめざし長きにわたり継続して事業が続けられています。

今年度は、おおたわんぱくランドの保育参観日に合わせて全3回講座が開催され、4月は幼児教育カウンセラーの坂本昌さんの子育て講話、7月に音楽教室の佐藤香純さんの「リトミック」、そして最終回の1月には、大森山動物園の園長小松守さんの子育て講話が行われました。
かねてより聞きたいと思っていた小松園長の講話、取材というより勉強のつもりで聞いてきました。小松園長の講話は「動物の子育てに教育の原点を探る」というものでした。

小松園長は、太田は自然が多く、農業が盛んで同居世帯が多い、スーパー・園・病院・老人ホーム・郵便局などが一カ所に集約されコンパクトにまとまっており、子育て環境としてとても良いと認めてくださいました。ご自身の息子さんと大台スキー場にも来ていたとお話しされ、とても親近感がわきます。
大学卒業後から大森山動物園に勤務され、動物園勤務は43年にも及ぶそうです。動物園は「文化資産」だと考えているとお話しされました。動物に言葉は伝わらなくても気持ちは伝わる、自分の気持ちを伝えることで動物と心が通った気持ちになる、心が通う体験が心を豊かにするということから、「動物と語らう森」とキャッチフレーズを掲げているそうです。自然や動物との関わりを大事にして欲しい、子どもの気持ちが育ってくると語ります。冬期間、大森山動物園は土日のみ開園、「冬の動物園」として営業しています。冬ならではの動物の様子が見られるそうです。

43年の動物園生活の中で、動物の子育てそして人の子育てにも関心を寄せてきたという小松園長、子育てとは①「いのち」をつなぐ営みであり、種を超えた普遍的なものである②親と子のつながりの中で行われる、自然がつくった巧妙な仕掛け(絆)である③子どもの「豊かなこころ」を育む教育の原点であると語りました。わかるような、ちょっと難しいようなと思って聞いていましたが、動物園での実際のエピソードを紹介されるとなるほどと納得。一つ目のエピソードは、小松園長が飼育員として勤務されていた時のこと、母親に育児放棄されたチンパンジーの赤ちゃん「しのぶちゃん」がいたそうです。母親に替わり飼育員が毎日時間を決めて抱っこをしながらミルクをあげ、さみしくないように人形をそばにおいたりと工夫をしながら育てていました。少し大きくなると、ミルクを飲んだ後も抱っこをせがむようになったそうですが、他の動物の飼育もあることからお世話が終わるとすぐに離れるしかなかったそうです。そうして体は大きくなった「しのぶちゃん」ですが、大きな音が苦手だったり、同じくらい年のチンパンジーにもおびえ仲良くできなかったりというのがあり、3歳になる前に亡くなってしまいました。小松園長は、「しのぶちゃん」の悲劇から「からだの栄養だけでは育たない。心の栄養も必要だ」ということに気づいたそうです。
そしてもう一つのエピソードも披露。育児放棄されて飼育員に育てられた虎のミドリ、ミドリが産んだ子「ラン」もまた育児放棄されました。母親に育てられた経験のないミドリは、子育てということを知らないため育児を放棄しました。小松園長は「ラン」もまた育児放棄をする母親にならないよう、動物園に住み着いたお腹の大きい野良犬・ノラに子育てをしてもらおう考えたそうです。ちょうどノラが赤ちゃんを産んだ次の日、「ラン」が産まれました。ノラは、自分の子と同じように虎の子「ラン」をなめてあげ、お乳を飲ませ、時には叱り3ヶ月ほど一緒にいたそうです。ノラが「ラン」にしたことは、一緒にいて「ふれあって」あげたことだけ、けんめいにふれあい育てることで母の愛を伝えました。そして、「ラン」は大きくなり自分も母親になりました。1度目2度目の出産時「ラン」は育児を放棄しましたが、3度目の出産時「ラン」は自分の子どもを育てたそうです。聞いた瞬間に、自らの子育てを振り返ってしまいました。まだ間に合うなら、できるだけ子どもにふれあって親である姿を見せなきゃと強く感じます。
小松園長が講話の中で繰り返し語ってくれた言葉に「絆」があります。親と子の絆は、「親の愛」と「子の求め」の両者でつくるものだそうです。「親の愛」を伝えていくことが「いのち」を伝えていくこと、動物の子育てのエピソードで、理論と現実が結びつき、ズシンと響きました。動物の子育てと人間の子育てはイコールではないけれど、動物の子育てで「いのち」をつないでいくためになくさないようにしている大事なことを、人間の子育てでも忘れてはいけないとお話されました。
最後は、保護者の皆さん・園の先生達にむけて、幼児教育の大事な時期で、今が大変な時期ですが楽しみの多い時期でもあります。子育てを楽しみながら頑張ってほしいと締めくくりました。

小松園長、貴重なお話をありがとうございました。
「家庭教育学級」に、まさしくふさわしい講話でした。
子育てにマニュアルはない、と小松園長もおしゃっています。だからこそ、このような機会があって、いろんな視点から子育てについて考えるきっかけがあれば、心が変わったり視点が変わったりする気がします。
そう言えば、今回気づきましたが、太田の保育参観はお父さん出席率が高い!子育てに対する意識の高さはもしかしたら、長く続く、太田の「家庭教育学級」の成果なのかもしれませんね♪