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秋田県大仙市公式ブログ

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「おおた花の会」が受賞 「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業

2月26日(月)、仙北地域振興局で「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業表彰式が行われました。
「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業は、秋田県が地域づくり活動の活性化を図ることを目的とし、自立的・主体的な活動を行っている団体・個人を表彰する事業です。平成19年度から実施されており、これまで55団体・2個人が表彰を受けています。今年度は6団体・1個人が受賞し、そのうち太田地域では「おおた花の会」が栄えある受賞となりました。

「おおた花の会」は、平成9年に花づくりの経験者が集まり発足した会です。もともと「花いっぱい運動」の盛んな太田地域ですが、花づくりへの意欲が高い経験豊かなベテランさん達が集まり「おおた花の会」を結成したため、その実行力と信頼関係で地域の「花いっぱい運動」をけん引する役割を果たしてきました。集落・老人クラブ・各事業所・学校などと地域や世代を越えた交流を図り、住民との深い信頼関係を築き活動されています。また、太田を訪れる方を、いっぱいの花でおもてなししたいという想いから、花だんフェアの運営や、水仙ロードの拡大活動に取り組んでいます。
表彰式には会員3名が出席され、大信田祐子副会長は活動の内容を紹介しながら「水仙ロードは太田の道しるべとなっている。太田へようこそという想いを表している」とスピーチしました。また「会員が長年手をつなぎ団結してきたことが評価されたと思っている。この表彰に恥じないよう、会員の団結をさらによくしていきたい」と決意を述べてくれました。
大仙市では「おおた花の会」のほか、「大仙民話の会(大曲地域)」「払田柵真会(仙北地域)」「佐藤誠さん(協和地域)」が表彰を受けています。

「元気なふるさと秋田づくり」顕彰事業での受賞は、どの団体にとってもこれからの活動の励みになっているようです。どの団体のスピーチも、活動の素晴らしさと意欲の高さ、そしてふるさとを想う強い気持ちが感じられるものでした。それぞれ、花づくり・民話や方言・払田柵跡や払田真山・協和音頭と菜の花畑と、地域資源の切り口は様々です。地域づくりの活性化と言えば何だか身構えてしまいますが、自分の住む地域にある伝えたいそして守りたい資源に気づき、自分流に活動することが元気な地域づくりにつながっていると改めて気づかされました。
受賞された皆さん、おめでとうございました。これからの活動にも注目していきます!ますますのご活躍を期待しています。

モニターツアーの皆さんを迎えて 冬のだいせん観光ツアー

大仙市では、だいせん観光ツアー事業に取り組んでいます。
これは1年を通して大仙市に人を呼び込むことを目的に、四季折々の花火と体験・観光を組み合わせながら、地域住民との触れ合いを重視した体験型のモニターツアーを招致するものです。

今回、2月3日~4日の日程で実施した、今年度最後のモニターツアー『雪国の小正月行事と味覚の旅in秋田県大仙市』では、仙台圏を中心とした16名の参加者が太田地域を訪れ、『太田の火まつり』や『おやきづくり体験』を通じて郷土の伝統や文化に触れました。

太田の火まつりは、雪中田植えや紙風船上げ、天筆焼きなど地域の小正月行事を一堂に行い、その継承を目的として開催され、37回目の開催となりました。
毎年、開催に向け太田地域の各集落や学校などでは天筆への筆入れや紙風船作りなど、早くから準備が進められ、当日も多くの人たちが協力して開催される、地域住民を巻き込んだ参加型のイベントとして定着してきています。
モニターツアーの皆さんにぜひ伝えたい『雪国の小正月行事』といえる行事です。

それでは、太田地域を中心に実施されたツアーの様子をご紹介します。

ツアー初日、貸切バスで仙台駅を午前9時に出発した一行は、雪道をおよそ4時間かけて大曲に到着。
昼食に、きりたんぽ鍋で秋田の味を楽しみ、午後は仙北地域で開催された『払田の柵冬まつり』へ参加し、ミニかまくらづくりと幻想的な『蝦夷(かい)ほたる』を楽しみました。

その後は、宿泊先の奥羽山荘へと移動し、隣接する西側広場で開催された『太田の火まつり』に参加。
ここでは、ツアーの皆さんに天筆への筆入れと紙風船上げを体験しました。

時計が午後6時を回ったころ、奥羽山荘に到着した一行は夕食を済ませ、会場へ向かう前に皆さんで天筆への筆入れを行いました。

5色の短冊をつなげて作られた天筆に「健康第一」や「家内安全」、さらには「世界平和」など思い思いの願い事を書き入れたら、それを持っていよいよ火まつりに参加です。
まず、会場では地域の方々と一緒に紙風船上げを体験しました。

最初はタイミングを合わせるのが難しかったようですが、「上げる直前に風船を少し回すのがポイントだよ」など、周りの人たちからアドバイスをもらいながら次第にコツをつかんできた皆さん。
何回かこなすうちに、『まっすぐ、綺麗に』紙風船を上げられるようになりました。
当日上げた紙風船の中には、このモニターツアーの皆さんに向けたものもあり、紙風船を通じて太田地域の皆さんとの一体感を味わえた瞬間となりました。

火まつりの最後には、高さ8メートルにもなるかまくらに火をつけ、大迫力の天筆焼きが行われ、ツアーの皆さんが筆入れした天筆も一緒に焚き上げられました。
かまくらの炎によって天筆の札が天高く舞いあがると願い事が成就すると言われています。
皆さんは、自分たちの書いた天筆が焚き上げられる様子を静かに見守っていました。

奥羽山荘に宿泊し、2日目は火まつりの会場近くにある和風コテージもみじ庵で、昔ながらの郷土のおやつ『おやき』づくりを体験しました。
秋田県南部でおやきと言えば、餅で作った生地にたっぷりのあんこを包んだ焼き餅のことを言います。地域の農家の皆さんが先生になって、あんこのつつみ方や焼き方などを説明します。
中には生地が厚くなかなか焼き上がらなかったものや、アン○ンマンを模したものなどいろいろなおやきが作られました。
作り終わった後は、農家の皆さんから差し入れがあった甘酒や漬物などを囲んで、団らんの時間。
地域の皆さんが秋田弁を交えて話す熊や山菜の話は、都会に暮らしている皆さんにとって新鮮なものであったに違いありません。

こうして、太田地域への滞在を終えた一行は太田地域を後にし、中仙地域の見学を経て帰路につきました。

大仙市の魅力を発掘することを目的として実施している、このモニターツアー。
地域の魅力とは、目で見てわかるものだけでなく、地元の人たちと交流して初めて感じることができる『人の温もり』や、『地域愛』などもその一つであると思います。

1泊2日という短い日程ではありましたが、伝統行事や食を通じて冬の大仙市の魅力に触れていただくことができました。
太田地域では、地域の人たちの温かい人柄や、伝統行事の継承に汗を流す人たちの思いも感じ取ってもらえたのではないでしょうか。
こうした目に見えない魅力も、モニターしてもらえたら嬉しいなと思います。

大仙市、そしてここ太田地域には、四季折々の魅力がまだまだいっぱいです!
是非また、遊びに来て下さいね!!

明日はきっといい日になる

太田町国見、2月22日17:45の夕暮れ。♪明日はきっといい日になる~♪と思わず口ずさんでしまった風景。鳥海山のシルエットが明るい明日を思わせるピンク色の空に浮かんでいました。ずっと会いたかったんです、鳥海山。お天気が良い日は、必ずチェックする鳥海山の様子、22日は青空がのぞいた日でしたが、日中は雲が多くその姿を見ることはできずにいました。「木曜日って疲れがたまってくるんだよな~」などと思いながら帰路についた私に、♪明日はきっといい日になる~♪と思わせた風景、みなさんにもおすそわけしたいとおもいブログに載せちゃいました。
疲れたり、悲しかったり、ふんばりがきかない時、背中を押してくれるものが一人ひとりにあると思います。わたしにとっては、鳥海山もその中の一つです。秀麗無比なる鳥海山、道路脇にそびえる雪壁そして例年より深い雪原の向こうに見える誇り気高き鳥海山、明るい明日を思わせるたたずまいにパワーをもらいました。
♪明日はきっといい日になる~♪秋田県出身の高橋優さんのこの歌の歌詞の中に、「どの出来事も君を彩る 絵の具になる 絵の具になるでしょう」とあります。
待ち遠しい春の前に立ちはだかる、雪・受験・別れ、困難なことも君を彩る絵の具になるはず。いい明日、いい春を信じて、今日もふんばっていきましょう!

2月18日は「田ノ尻の火まつり」

2月3日(土)に太田地域の奥羽山荘西側広場で開催された第37回太田の火まつり。
地域の小正月行事が一堂に行われ、会場は多くの人でにぎわいました。

毎年、小正月行事の一つ、雪中田植え行事を披露してくれているのは田ノ尻集落の皆さん。

田ノ尻集落は、集落独自の伝統行事として「田ノ尻の火まつり」を行っています。

今年の「田ノ尻の火まつり」は2月18日(日)の開催、昔から伝わる雪中田植えや紙風船上げ、天筆焼きが行われます。
2月3日の「太田の火まつり」に行けなかった方でも、18日(日)田ノ尻集落の生活改善センターへ立ち寄ると、太田地域に伝わる小正月行事を感じていただけると思います。

田ノ尻集落の活動を、時を少し遡り、紹介したいと思います。
太田の火まつりを1週間前に控えたころ。
田ノ尻集落では、今まで火まつりに使ってきた道具がだいぶ消耗してきたことから、しめ縄をはじめ行事で使う道具の新調することにしました。

作業は田ノ尻集落の三浦里志さん、髙橋登美男さん、藤原信雄さん、水谷仁光さんの4氏の手によって、ほぼ一日がかりで進められました。

この日は朝9時から雪中田植えで使用する、しめ縄、苗かご、絵灯籠の用意を中心に進められました。

こちらは、しめ縄を作る様子。雪中田植えは、水田に見立てた雪の田に束ねた稲ワラと大豆の殻を植えるようにして立て、その年の作占いと同時に豊作を祈願する小正月行事です。年末のすす払いに使った棒を雪の田に立てて、その周りにしめ縄をはり水田に見立てます。縄で田の区域を区別するだけでなく、神聖な場としてしめ縄をはりめぐらせている意味もある気がします。
使われる稲ワラは秋の収穫時から用意していたもので、初めにしべ取り(藁のくず取り)をし、できたものを束にまとめていきます。それができたら横槌で束になったワラを敲き、石の上で柔らかくしていきます。

しべ取り用の道具、稲わらを敲くための横槌など、少し昔であれば各家にあった道具が、調達困難となってしまった今、しべ取りは手で行い、自分たちで作った横槌で作業を進めたのだそうです。
この地道な作業はお昼までかけて行われました。

午後はいよいよ縄を綯って、一本の大きなしめ縄に仕上げていく作業に入ります。
しめ縄と言えば左綯い。
かつてしめ縄を綯っていた集落のお年寄りから作り方を学び、4人で作業方法を模索しながら、天井につるして綯っていく、写真のようなスタイルを編み出しました。こうして作られたしめ縄は、なんと9mもの長さになりました。
最後に飛び出たワラ毛を切って、完成です。

そして、早乙女たちが田植えで使う『苗かご』作りも行われました。
どうせ用意するのであれば本格的なものを作ろう、ということで、角館方面や横手方面まで足を延ばし、ようやく入手したサンプル品から竹の編み方を研究。
製作に至っては、材料の真竹を割るところから始めるという本格さに驚きです。

また、行事の雰囲気を盛り上げようと燈籠も製作されました。

五角柱の一面は扉のように開閉でき、蝋燭の着火点灯が簡単にできるよう、手の込んだ仕様になっていました。

こうして新調された道具は、2月3日に行われた太田の火まつりで初のお披露目。
しめ縄や祭壇、灯籠などが設置されたセットの中で、絣を着た早乙女の皆さんの田植え姿は多くの人の視線を奪いました。

 

集落単位での小正月行事が行われなくなっている今、どうやって継承していくかが課題だと語る水谷仁光さん。
雪中田植えをはじめ「田ノ尻の火まつり」の運営方法を覚書(マニュアル)に記し、若い人たちをどう取り込んでいくか模索している最中とのこと。
「年配者が若い人に教える」のではなく、一緒に楽しく行事を行う雰囲気づくりが大切だと熱を込めて語ります。

2月18日に行われる「田ノ尻の火まつり」。
バケツを使ったミニかまくら作りや、餅つきなど子供が楽しめる催しから、夜には雪中田植えや紙風船上げなどが行われ、例年、集落の大人や子どもを中心に100人近い人が集まります。

今年も盛況に開催されることを祈っています。

刈和野の綱引き2018

こんにちは!
大寒が過ぎ、春に向かって暖かくなるのかと思いきや、まだまだ厳しい寒さが続いています。
みなさん、風邪を引いてませんでしょうか?

今回は、そんな寒さも吹き飛ばすくらいHOTな記事です!

毎年、2月10日の夜に刈和野地区で国内最大級の大綱を使った綱引きが行われます。
直径約80センチ、長さは約200メートル、重さ約20トンの綱による引き合いは、
上町(二日町)と下町(五日町)にまちを二分して数千人によって行われ迫力満点です。

今年も2月10日(土)に開催されました。
その模様をレポートしたいと思います。

【浮嶋神社での祈祷】
午後1時半。上町下町の建元が浮嶋神社に集まり、綱引きが無事に行われるように祈祷しました。

浮嶋神社には、市神様のご神体が預けられていて、当日に大綱のある場所まで運びます。
平将門の子孫であった長山氏が刈和野に土着し、長山氏が信仰する氏神様が市神様であり、その催事として綱引きが始められたのが由来とされています。

大綱は、1月下旬の綱撚い(つなよい)後、会場中心部のドップ(上町・下町の境界中心部をといいます)に10日ほど祭られています。

神事では、大綱のある場所まで市神様を運び、安置し神官がご祈祷やお祓いをしました。

33歳の厄年の女性陣による散銭です。
みかんやお菓子も一緒にまいていました!

 

古希(70歳)の皆さんからは、「ご縁があるように」と五円玉と、秋田名物金萬をまいています。42歳の男厄年によって餅がまかれました。

60歳の皆さんの出番です☆

 

【綱のばし作業】
さて、餅まきも終わり、ドップに安置されている大綱をいよいよのばす作業です。
これを「綱のばし」といいます。

 

まずは、下町が雌綱を所定の位置まで動かし、そこから綱を伸ばしていきます。

一方で、上町はドップから綱をのばしていく作業です。

【小綱つけ作業】
次に、大綱から小綱をつけていきます。

小綱とは、引き合い時に実際に引っ張る綱のことです。

中学生が熟練した職人から小綱つけを教わっています。

小綱つけも終わり、本番にそなえ英気を養います。

【中学生の活動inHUBスペース】
午後4時頃。会場から少し離れたHUBスペースで、中学生たちが綱引きを盛り上げるために何やら活動中とのことで、さっそく現場に行ってきました!
HUBスペースとは、地元の中学生が地域の交流を目的として、自分たちで空き家を改造し作った交流の場です。

HUBスペースの前には、既に男子生徒によってミニかまくらがつくられていました。

中に入ると、人で賑わっています。
中学生が観光客をおもてなし中です。

温かい飲み物と、HUBスペースのお向かいにある和菓子屋さんのお菓子でもてなししてくれました。外の寒さで冷え切った体にホットウーロンの温かさが身に沁みて、とてもおいしく感じました。

中学生が綱引きを盛り上げようと、自ら作成した缶バッチを販売しています。

18時頃。
佐々木興業の駐車場では、様々なイベントが開催されていました。
飲食ブースでは、地元団体・企業による出店のコーナーが開設され、コロッケや甘酒などが販売されていました。

午後7時頃。
超神ネイガーによるショータイムが始まりました。

観光客や地元の方々がネイガーに釘付けです☆

【西仙北太鼓の会による演奏と、若衆による押し合い】
西仙北太鼓の会による太鼓の演奏の後、
綱引き本番を目前に控え、上町と下町の登場です☆

綱引き開始前には、上町と下町による「押し合い」があります。
押し合いでは、上町と下町の若衆が互いの気合いを見せつけ、ぶつかり合います。
一年に一度の綱引き、押し合いもまた一年に一度しかありません。
綱引き前の重要なこの場面、両町とも十分に気合いが入っていました。地響きのような太鼓の音、彼らの吐く息と熱気が会場を熱く盛り上げます。

「綱合わせ」が始まりました。
雌綱の「サバグチ」に雄綱の「ケン」が通され、大綱の結びをしています。このとき、会場では声高に叫ぶことや、提灯を高く上げることは禁止されています。作業中に間違って引き合いになれば、大惨事になりかねないからです。緊張しながら引き合いの開始を待ちます。午後8時56分。綱が結び合う瞬間に、建元が手をサッと上げ「ソラッ」と叫びながら綱から飛び降りました。綱引き開始の合図です。 結び中の静寂と緊張が一気にほどけ、大声が湧き上がり、提灯が左右に大きく振られ、その動きに合わせながら「ジョヤサノー」のかけ声がこだまします。

9時14分。18分間の奮闘の末、上町の勝利で決着がつきました。

元来、上町、下町の勝者がその年の市場開設権を獲得するといわれてきました。現在では、上町が勝てば米の値が上がり、下町が勝てば豊作とその年を占うお告げが下されるようです。
さて、今年は米価が上がるのでしょうか?

およそ7,300人を動員した今年の刈和野の綱引きは、上町の勝利で幕を下ろしました。
来年はどちらが勝つのか今から楽しみです。

 

追記~綱引き本番までのミニレポート~
大綱をつくる作業の一つに「グミ編み」「綱撚い」といわれるものがあります。
大綱の元になる「グミ」を各町200本ずつ準備するのがグミ編みです。グミの長さは、20尋(約30.2メートル)で幅が約10センチです。
2月2日(金)には、地区の方々が、グミの束を更により合わせて二対の大綱をつくりました。

 

天気は晴れ、太陽がほどよく暖かく感じる日でした。
大町の大通りと中央公民館の横スペースを使って、上町と下町の両町が綱よいをしています。
地元の保育園、小・中・高校生も参加してみんなで準備しました!

2月9日(金)は、西仙北庁舎の駐車場で前夜祭「刈和野どんと焼き」がありました。 家内安全・商売繁盛、無病息災、学業成就をお祈りし、松飾やお札などを燃やします。

会場にはかまくらがあり、子どもたちが中に入って温まっていました。

餅つきがあり、ついた餅を振舞いました。

西仙北庁舎には、本物の4分の1に縮小した大綱の模型が展示されています。
お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。

 

中学生ボランティアも出動 太田地域一斉除雪デー

2月4日(日)、太田地域で大仙雪まる隊による一斉除雪ボランティア活動が行われ、地元除雪ボランティアと太田中学校の生徒が地域の除雪活動に汗を流しました。

大仙市雪まる隊は、市の社会福祉協議会を窓口にボランティア登録をした団体や個人が、市内の高齢者世帯をはじめとする自力で除雪困難な世帯を対象に、屋根の軒下などの雪寄せを実施する、地元住民で組織されたボランティア団体です。

この日は地元民生児童委員や建設技能組合員、各集落や市職員等の有志に加え、今回は太田中学校の生徒も参加し、総勢約60名体制で除雪に臨みました。

太田中学校の生徒が雪まる隊の活動に参加するのは、今回が初めてのこと。
ボランティアに手を上げてくれた中学生23人が各班に分かれ、大人と一緒に地域を回りながら一緒に除雪作業を行います。


朝9時30分ころ、太田中学校前にボランティアの皆さんが集合。
作業に移る前に、建設技能組合の高橋さんから、中学生に向けてヘルメットの着用方法と除雪の仕方について説明がありました。

続いて、三浦教頭先生から「中学生が地域の除雪活動に参加させてもらえるのを嬉しく思う。中学生も一人前に除雪活動ができるので、若い力をぜひ頼りにしていただきたい」とあいさつ。
生徒会長の佐々木真衣亜さんからは生徒に向けて「いつもお世話になっている地域に感謝する気持ちで除雪を行いましょう」と、活動に向けての意気込みが述べられました。

その後、6つの作業班に分かれます。
班には地域の民生児童委員が対象者宅までの案内人として入り、中学生も4~6人くらいずつ各班に割り振られます。

班毎に作業内容を確認したら、スコップやスノーダンプを持って、さっそく対象となっている世帯に向かいます。
今回除雪することとなっている世帯は32軒で、1班あたり5~6軒ほどを担当します。
限られた時間の中で対象世帯を回らなければならないため、班ごとにうまくペースを配分して、作業を進めていきます。

この日の天気は朝から晴天。
2日前から気温が緩み気味で、一時降雨にも見舞われたことから、当日の積雪深は84cm(太田支所観測)と少し下がりました。
一方で、どの家の軒下にも多くの落雪が積もり、窓や出入り口を圧迫している様子が多く伺えました。対象世帯を訪問し、除雪で困っている箇所を聞き取りしたらさっそく作業に移ります。
安全のため、中学生はしっかりヘルメットを装着。
雪マル隊の幟とジャケットで活動をPRしながら軒下の雪を寄せていきます。
回った先々で「ありがとう」とたくさんの感謝の言葉が述べられました。

活動時間はおよそ2時間。
11時40分を以って全ての班が活動を終了し、解散しました。


雪まる隊の大信田隊長は、地域の除雪活動に中学生が参加することの意義について「雪国育ちの子どもたちが除雪ボランティア活動に参画することは、周りの大人たちの姿を見て、スコップの使い方や、手で効率よく雪を寄せる方法を学ぶいい機会となる。また、一つの活動を通じて違う世代と触れ合う経験は、生徒にとってはもちろん大人にとっても貴重な時間になる」と、述べていました。

一方で、活動に参加した中学生からは、
「家では家族が除雪機を使ってやっているので、あまりこうして雪寄せをやることが無くいい経験になった」
「雪で困っている人が多くいることを知って、少しでもその人たちの役に立てて良かった」
といった感想もちらほら。
活動を通して、各々思うことがあったようです。
少し大げさな気もしますが、雪国育ちの我々にとって『雪寄せ』は生活していくうえで必要な技術の一つ。
雪はただ寄せるだけでなく、特に大きな雪塊へ向かうにあたっては、スコップの使い方や作業の進め方などの段取りも大切です。

中学生にとって、こうして大勢で除雪作業をするのは、なかなか無い機会。
一緒に作業をした大人の皆さんが除雪する姿から、学んだことも多かったはず。
また、除雪に困っている人がいるという地域の実態にも触れるいい機会になったのではないでしょうか。

大人のボランティアの皆さんにとっても
「こっちさ寄せればいい!」
「シャブロ(シャベル)こうやって使えばいい!」
「あまり頑張らねでな~!!」
と中学生に声を掛けながら、若者との交流を楽しむ一面もありました。

終始恵まれた晴天のもと、世代を超えて楽しく活動した一斉除雪。
雪まる隊の皆さん、本当にお疲れ様でした!
中学生の皆さん、次回も是非、若い力を貸してくださいね!!

太田の火まつり 継承にかける想い

2月3日(土)、奥羽山荘西側広場において、第37回太田の火まつりが開催されました。
地域に古くから伝わる小正月行事を一堂に行い、その伝承を目的として行われる、太田地域の冬の一大イベントとなっています。
当日は、少し雨混じりの雪に見舞われることもありましたが、天気は次第に回復し、会場は訪れた多くの人々で賑わいました。

今年の火まつりは、開催時期を例年より2週間ほど早めての開催となりました。
近年の気温上昇や積雪量の減少といった、2月下旬の気候変動がイベントに及ぼす影響を考慮して、この度の実行委員会で開催日程繰り上げの判断がされたことによります。

そのため、実行委員はもちろん、各集落や学校などでは、関係者の皆さんが早くから準備にとりかかり、紙風船の製作や天筆への筆入れなどの作業が急ピッチで進められました。

雪中田植えや、紙風船上げ、迫力の天筆焼きなど、見どころたくさんのイベントとなっている太田の火まつり。
今年も、地元の各集落や学校など、多くの人たちの手によって準備され、また、地元の多くの団体の協力で運営され、地元から多くの来場者を迎えて、盛会裏に幕を閉じました。
地域の小正月行事の伝承という目的を十分に果たした火まつりになったと思います。

当日の運営スタッフの活躍を振り返りながら開催の様子を紹介します。

午後5時、開場に合わせて甘酒を振る舞ったのは、市商工会女性部の皆さん。
日が落ち、だいぶ冷え込んできた時間。
飲んで体を温めてもらおうと、温かい甘酒を用意し来場者をおもてなしします。

そして、賑わい出す会場の一角では、関係者出席のもと神事が執り行われました。
厳かな神事の後は、地元ライオンズクラブとJA加工部による餅つきが行われ、温かいつきたての餅がその場にいた皆さんに振る舞われました。

午後6時、主催者を代表して、鷹嘴信行実行委員長よりあいさつ。
昨年11月から集まり、開催に向けて準備をしてきた実行委員の皆さんの想いを開会の宣言に変えました。
同時に、1回目の紙風船上げが行われ、おおたわんぱくランドの皆さんが作った紙風船が2つ、天高く舞い上がりました。

 

雪中田植えを披露したのは、田ノ尻部落の皆さん。
雪中田植えは、「たっこたっこ」または「正月田」とも呼ばれ、水田に見立てた雪上に束ねた稲わらと大豆の殻を植えるようにして立て、その年の作占いと豊作祈願をするものです。
早乙女は、集落から募った女性有志の皆さんです。
上は古風な絣(かすり)に履き物はブーツと、本来の形を損なわない程度に現代風にアレンジされた格好で、順調に作業が進められました。

 

東今泉集落の皆さんは寄せ太鼓の演奏を行います。
この東今泉八幡太鼓の寄せ太鼓は、東今泉集落に伝わる「東今泉神楽」をもとに復興したもので、火まつりが開催されてきたのとほぼ同じくらいの歴史があるそうです。
地域の若い層が顕彰しながら、長年にわたりそのパフォーマンスは受け継がれています。

 

紙風船上げは、ボランティアを含め15人ほどのスタッフで行いました。
今回集まった紙風船は40個、どれも地域の集落や学校で製作されたものです。
紙風船がガスバーナーで温められ膨らんでいくと、施された絵が綺麗に浮かびあがり、周囲の歓声を誘います。
スタッフは膨らませた後、くるくると紙風船を回し、作品をお披露目。
その後、アナウンスに合わせて夜空に解き放っていきます。
こうして次々と後を追うように上がっていく紙風船は、幻想的な光景を作り出しました。

 

天筆焼きでは、稲わらで作られた約8メートルの高さのカマクラに火をつけ、その燃え上がる炎に5色の天筆をかざし、炊きあげます。
この天筆は、地元幼稚園児や小中学生によって書かれたもので、色とりどりの子どもたちの願いが天高く舞う様子を見守る人々の姿がありました。
ちなみに、このカマクラには約20a(2反歩)分の稲わらが使われているそうです。
30年近く、このカマクラ作りと天筆焼きを主導している武藤定志さんによれば、「秋の稲刈りの頃から、既に少しずつ火まつりの準備を始めている」とのこと。

火まつりではその名のとおり、火を使う場面が多く見られます。
そのため、運営には地元消防団の皆さんからの協力が欠かせないものとなっています。
紙風船が上がっている間は、万が一落下した場合に備え、地元消防団員の皆さんが会場の内外に控え、終始紙風船を見守っています。
また、天筆焼きでは、カマクラの周囲をぐるっと囲み、火の粉などで観客に危険が及ばないよう、ロープで安全帯を確保する作業も行っていただきました。
フィナーレには、天筆焼きの残り火と冬花火がコラボレーションを果たしました。

今回の来場者数は約2,000人。
会場の駐車場はほぼ満車状態となり、地元駐在や、交通指導隊員が出動し、寒い中、駐車スペースの確保や沿道の交通整理を実施してくださいました。
おかげで、大きなトラブル等も無く、多くの方にイベントを楽しんでいただくことができました。

太田の火まつりは、昭和57年に太田町公民館と太田町連合青年会が主体となり、「ふるさと火祭り」を開催したことに始まります。
以後、太田の火まつりは地域の人の協力のもと37年の歳月をかけて、今や太田地域最大の冬季イベントとして成長を遂げてきました。
この成長を支えてきたのは、地域の皆さんのたゆみない努力にほかなりません。

今回の火まつりには、インバウンドや移住促進をターゲットにしたプロモーション映像を撮影に来ている関係者の姿もあったようです。
イベントの様子に加えて、伝統行事の継承に汗を流す地域の人々の活躍も、レンズを通じて伝えてもらえたら嬉しいなと思います。

火まつり関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした!!

マイナス12℃の楽しみ方

2月2日の朝はマイナス12℃と冷え込みました。
太田地域では、1月24日から連日のようにまとまった雪が降り、毎朝の雪寄せに苦労された方も多かったと思います。最も積雪が多かったのは1月25日の45㎝、雪の深さである積雪深は1月31日に今シーズンの最深118㎝をマークしました。2月2日は冷え込んだ分、降雪はなく積雪深は94㎝。雪国生まれの私たち、冬はこんなもんだと覚悟があっても、雪寄せがない日は何となく嬉しいものです。特に忙しい朝の雪寄せは、心と体力を消耗してしまします。そんな中、先日、大仙市の地域おこし協力隊の渡邉衣里さんのブログでは、雪寄せをする市民の方が紹介されており、雪の少ない地域から大仙に来てくれた衣里さんの新鮮な視点と雪への愛着、そして市民の皆さんがプラス思考で上手に雪と付き合っていることを知り、嬉しくなりました。やはり、憂うよりどうせならプラス思考で冬を乗り切りたいと改めて感じました。
そこで、太田からは、今朝のように冷え込んだ朝の楽しみ方を提案したいと思います。
名付けて『寒い日のキラキラ探し』
こちらは窓にできた氷の結晶を撮ったもの。IMG_2607IMG_2608
こちらは、土の地面についた霜を撮ったもの。IMG_2649IMG_2636IMG_2639
どれも、スマートフォンに某100円ショップのマクロレンズをつけて撮影したものです。雪の結晶や霜柱が朝日を浴びてキラキラしているのを、ズームで細部をのぞけちゃう特別感。特別なカメラやレンズがなくても撮れちゃいます。寒い朝もこれで楽しい気分になれるかも!?
まだまだ寒い日が続くと思いますが、暦の上では間もなく立春。降雪も冷え込みも今だけのもの、せっかくですので、期間限定の冬の楽しみ方をお試しください☆