「太田の火まつり」は、天筆焼きや紙風船上げ・雪中田植えなど太田地域に伝承される小正月行事を集め開催されるものです。冬の観光イベントではなく、あくまで小正月行事の伝承を目的としていることから、中止にはできない、実行委員会での総意でした。
雪運びは1月24日に1回、そして1月28日にも行われました。見渡す限り積雪のない景色が広がりますが、どうにかこうにか地域内で雪を捜し手作業で軽トラックに乗せては会場に運びという作業を繰り返します。
冬の足跡・春の足音
降っても降らなくても雪の話題になるのが、雪国の冬の定番。「今年は雪なくていいな」と多くの場で交わされた挨拶ですが、この頃ではそんな言葉も言うにはばかられる雰囲気の太田地域です。雪が降らな過ぎるのも困りました。太田では、営業できずにいる大台スキー場のこと、これから行われる火まつりのことを思うと、せめて山にだけはもっともっと雪が降って欲しいと願わずにいられません。
1月21日の朝は太田地域で積雪15㎝、久々に除雪車が出動するほどに降りました。今年度の除雪車の出動はこれで6回目です。太田では11月19日に初雪、その後12月4日からまとまった雪が3日連続で降り12月6日に積雪深45㎝をマーク、実はその12月6日の記録こそが今シーズンの現在までの積雪深のピークです。
たまに降雪はあっても、融けてしまうほどしか降っていません。1月さえも元日から数日降雪があっただけで、1月2日の積雪深33㎝をピークにその後は融ける一方となっています。
大台スキー場については、今シーズンで滑走可能となったのは1月3日から7日までの5日間のみという状況です。
気象統計上では、積雪が 30日間以上継続する状態を「根雪」というそうです。今シーズンは根雪がないなんてこともあるかもしれません。
降雪量についてシーズンごとの累積の降雪量で比較すると、1月21日現在で今シーズンは146㎝、昨シーズン(30年度)は281㎝でおおよそ2倍、その前のシーズン(29年度)は368㎝でおおよそ3倍となっており、今冬の雪の少なさが際立ちます。近年でもっとも降雪の多かった29年度には1月の下旬以降に1日で45㎝降った日もありシーズンの累積で940㎝も降っています。ひょっとして、これから降ることもあるのかも!?
冬の気配がどこかにないか、1月21日のまとまった降雪時に、冬である証を見つけるべく「冬の足跡」を探してみました。
動物の足跡 歩道の足跡 除雪車の軌跡
実は降雪日の前日1月20日に、私は早々と「春の足音」を感じていました。雪の下からのぞくフキノトウを太田庁舎のすぐそばで発見していたのです。
春の足音を感じて、冬の足跡を探すなんて、皮肉なことになりました。
寒くて厳しい冬だからこそ、暖かい春が待ち遠しくありがたいはずです。こんなに雪が降らないことで、農作物に影響はないのか、夏に豪雨があるのでは、などと心配は尽きません。
もっともっと、冬ならではのスキーや小正月行事などを楽しんで「冬の足跡」を残したい、そう思いながら天気予報に一喜一憂する日々です。
刈和野の大綱引き〜藁打ち・グミ編み篇〜
みなさん、こんにちは。
西仙北支所の広報担当です。
本年もよろしくお願いします。
さて、大仙市西仙北地域では、国指定重要無形民俗文化財「刈和野の大綱引き」が毎年2月10日に行われ、地域内外から約8,100人の人々が訪れ、街が賑わいます。
「刈和野の大綱引き」は、室町時代から500年以上続く、大仙市の冬の一大イベントで、刈和野地区の中心部「大町通り」で町を上町、下町に二分し、国内最大級の大綱を引き合います。上町が勝てば米価が上がり、下町が勝てば豊作になると言い伝えられています。
「刈和野の大綱引き」で使われる綱は、地域内外から集めた藁を使用し、綱引き本番の数ヶ月前から、上町、下町の人々によりつくられます。
特に、今回紹介する「藁打ち・グミ編み」は、12月下旬から開始し、厳寒のなかで行われ、とても大変な作業です。
「藁打ち」とは、藁打機という機械で藁を叩き伸ばす作業のことを言います。
このように藁を打ち、叩き伸ばすことで藁が柔らかくなり、より丈夫で切れにくい綱をつくることができます。
続いて、グミ編みの様子を紹介します。
グミとは、藁打ち作業を経て柔らかくなった藁を編むことで、大綱の元になる藁の束のことを言います。一本のグミの長さは20尋(約30.2m)、幅が約10㎝。このグミを上町、下町の各町200本ずつ、全体で400本準備します。
熟練した職人でも一日で2本つくるのが精一杯だそうです。
綱作り作業について、年々、後継者不足による技術継承が苦慮されており、「刈和野の大綱引き」を次世代へどのように継承していくのかが今後の課題になっています。
大綱保存会では、地元の保育園児や小学生が、グミ編み作業を体験する機会を設け、このような体験を通して、子ども達への伝統文化の継承を目指しています。
次回は、保育園児や小学生がグミ編み体験をしている模様をご紹介します。
太田町国見で民謡唄い初め
1月5日、太田町国見の北部センターで、「民謡日本一・冨岡久美子さんを応援する会」が開催されました。これは、相野集落の主催によるもので、近年活躍がめざましい地元在住の民謡歌手を応援したいという想いから、今回初開催となったものです。
冨岡久美子さんはお隣中仙の出身で太田に嫁がれました。民謡の時は旧姓の冨岡さんですが、本名は小松久美子さんです。