ふるさとこんにちは

秋田県大仙市公式ブログ

Home » 2020 » 1月

火まつりへの決意

あまりの降雪の少なさに、冬のイベントの開催が次々と中止になっています。
そんな中でも、今週土曜日2月1日開催の「太田の火まつり」はやります!強い決意をもって、開催に向けた準備を頑張っています。

「太田の火まつり」は、天筆焼きや紙風船上げ・雪中田植えなど太田地域に伝承される小正月行事を集め開催されるものです。冬の観光イベントではなく、あくまで小正月行事の伝承を目的としていることから、中止にはできない、実行委員会での総意でした。
1月23日、実行委員参集のもと、開催前の最後の実行委員会が開かれましたが、「中止」というフレーズは1人からも一言も出てきませんでした。そして、雪がないことへの工夫が議論されます。「火まつり」というように、天筆焼きも紙風船上げも火を使用します。雪が積もった上でなければどちらも危険です。もちろん雪中田植えにも雪は必要です。会場に積雪がなくても必要な分の雪を運ぼう、工夫してまつりを開催しようというのが、実行委員会の決意です。

天筆焼きは、1メートル以上の雪の土台をつくること、ワラの塔の上の方を小さくして火の子の飛散を予防すること、紙風船上げでは火の玉をつけずに熱風のみであげることなどが提案されました。会場となるグラウンド・ゴルフ場の芝を傷つけないよう、必要最低限の重機で作業をすること、重機の立ち入り時にはプラ敷きを準備することなど、とにかく前を向いた話し合いが行われました。

雪運びは1月24日に1回、そして1月28日にも行われました。見渡す限り積雪のない景色が広がりますが、どうにかこうにか地域内で雪を捜し手作業で軽トラックに乗せては会場に運びという作業を繰り返します。

天筆の土台が2つと、雪中田植え用のほ場ができあがっています。
私たちの決意が天に届きますように。
雪雲こいこい!

冬の足跡・春の足音

降っても降らなくても雪の話題になるのが、雪国の冬の定番。「今年は雪なくていいな」と多くの場で交わされた挨拶ですが、この頃ではそんな言葉も言うにはばかられる雰囲気の太田地域です。雪が降らな過ぎるのも困りました。太田では、営業できずにいる大台スキー場のこと、これから行われる火まつりのことを思うと、せめて山にだけはもっともっと雪が降って欲しいと願わずにいられません。

1月21日の朝は太田地域で積雪15㎝、久々に除雪車が出動するほどに降りました。今年度の除雪車の出動はこれで6回目です。太田では11月19日に初雪、その後12月4日からまとまった雪が3日連続で降り12月6日に積雪深45㎝をマーク、実はその12月6日の記録こそが今シーズンの現在までの積雪深のピークです。
たまに降雪はあっても、融けてしまうほどしか降っていません。1月さえも元日から数日降雪があっただけで、1月2日の積雪深33㎝をピークにその後は融ける一方となっています。
大台スキー場については、今シーズンで滑走可能となったのは1月3日から7日までの5日間のみという状況です。
気象統計上では、積雪が 30日間以上継続する状態を「根雪」というそうです。今シーズンは根雪がないなんてこともあるかもしれません。
降雪量についてシーズンごとの累積の降雪量で比較すると、1月21日現在で今シーズンは146㎝、昨シーズン(30年度)は281㎝でおおよそ2倍、その前のシーズン(29年度)は368㎝でおおよそ3倍となっており、今冬の雪の少なさが際立ちます。近年でもっとも降雪の多かった29年度には1月の下旬以降に1日で45㎝降った日もありシーズンの累積で940㎝も降っています。ひょっとして、これから降ることもあるのかも!?

 

冬の気配がどこかにないか、1月21日のまとまった降雪時に、冬である証を見つけるべく「冬の足跡」を探してみました。

 

 

 

 

 

 

 

    動物の足跡      歩道の足跡      除雪車の軌跡

 

実は降雪日の前日1月20日に、私は早々と「春の足音」を感じていました。雪の下からのぞくフキノトウを太田庁舎のすぐそばで発見していたのです。

春の足音を感じて、冬の足跡を探すなんて、皮肉なことになりました。
寒くて厳しい冬だからこそ、暖かい春が待ち遠しくありがたいはずです。こんなに雪が降らないことで、農作物に影響はないのか、夏に豪雨があるのでは、などと心配は尽きません。

もっともっと、冬ならではのスキーや小正月行事などを楽しんで「冬の足跡」を残したい、そう思いながら天気予報に一喜一憂する日々です。

刈和野の大綱引き〜藁打ち・グミ編み篇〜

みなさん、こんにちは。
西仙北支所の広報担当です。

本年もよろしくお願いします。

さて、大仙市西仙北地域では、国指定重要無形民俗文化財「刈和野の大綱引き」が毎年2月10日に行われ、地域内外から約8,100人の人々が訪れ、街が賑わいます。
「刈和野の大綱引き」は、室町時代から500年以上続く、大仙市の冬の一大イベントで、刈和野地区の中心部「大町通り」で町を上町、下町に二分し、国内最大級の大綱を引き合います。上町が勝てば米価が上がり、下町が勝てば豊作になると言い伝えられています。

「刈和野の大綱引き」で使われる綱は、地域内外から集めた藁を使用し、綱引き本番の数ヶ月前から、上町、下町の人々によりつくられます。
特に、今回紹介する「藁打ち・グミ編み」は、12月下旬から開始し、厳寒のなかで行われ、とても大変な作業です。

「藁打ち」とは、藁打機という機械で藁を叩き伸ばす作業のことを言います。

↑下町の藁打ちの様子。

このように藁を打ち、叩き伸ばすことで藁が柔らかくなり、より丈夫で切れにくい綱をつくることができます。

続いて、グミ編みの様子を紹介します。
グミとは、藁打ち作業を経て柔らかくなった藁を編むことで、大綱の元になる藁の束のことを言います。一本のグミの長さは20尋(約30.2m)、幅が約10㎝。このグミを上町、下町の各町200本ずつ、全体で400本準備します。

↑上町のグミ編みの模様です。

↑下町のグミ編みの模様です。

藁を足しながらグミを編んでいきます。

熟練した職人でも一日で2本つくるのが精一杯だそうです。

綱作り作業について、年々、後継者不足による技術継承が苦慮されており、「刈和野の大綱引き」を次世代へどのように継承していくのかが今後の課題になっています。
大綱保存会では、地元の保育園児や小学生が、グミ編み作業を体験する機会を設け、このような体験を通して、子ども達への伝統文化の継承を目指しています。

次回は、保育園児や小学生がグミ編み体験をしている模様をご紹介します。

太田町国見で民謡唄い初め

1月5日、太田町国見の北部センターで、「民謡日本一・冨岡久美子さんを応援する会」が開催されました。これは、相野集落の主催によるもので、近年活躍がめざましい地元在住の民謡歌手を応援したいという想いから、今回初開催となったものです。
冨岡久美子さんはお隣中仙の出身で太田に嫁がれました。民謡の時は旧姓の冨岡さんですが、本名は小松久美子さんです。

 

6歳の時から小田島純子先生(秋田民謡小田島会会主)のもとで指導を受け、子育てのため10年間民謡から離れていましたが、そのブランクをものともせず、復帰後も各種大会で好成績を納め唄いつづけています。なんと久美子さんは、秋田県内で開催されている全国大会と名のつく大会・全14大会のうち、11の大会で優勝の栄冠を手にしています。全国大会で優勝、つまりは民謡日本一のタイトルを11も持つ方が、太田在住とは誇らしいことです。この快挙を、地元みんなで喜び、地元みんなで応援したいという想いから、今回「応援する会」が開催される運びとなりました。
「応援する会」の開催が決まると、久美子さんから同じく太田在住の民謡歌手・浜口優花さんと倉田珠衣さんの友情出演が提案され、さらに当日には久美子さんのお師匠さんの小田島先生もいらしてくださるという、なんとも贅沢な「応援する会」となりました。
応援したい地元の皆さんと、それに応える民謡継承者、なんとも太田の人の良さが際立つ取り組みです。新年早々というのもまた、明るい一年のスタートにピッタリです。

当日会場には地域の皆さんが50名程集まり、お正月のご挨拶や、久々にお会いしたご挨拶などが飛び交い、おめでたい雰囲気が広がっていました。開会の前には、主催者を代表して草彅隆之さんから「相野集落は小さな集落ですが、1歩2歩と前に進んでいきたい。今日は、相野の顔となった民謡日本一の冨岡久美子さんの力強い歌声を聴いて、心に残してもらいたい」と挨拶がありました。
民謡が始まると会場中に華やかさと笑顔が広がります。
1曲目は3人娘が揃って唄う「秋田大黒舞」から始まりました。三味線・尺八・太鼓・すりがねの生演奏つきで晴れやかに唄う民謡に、会場全体が引き込まれます。その後、久美子さんが「本荘追分」を、珠衣さんが「秋田港の唄」を、優花さんが「新タント節」をそれぞれ伸びやかに唄います。会場からは一曲終わるごとに大きな拍手が送られました。

 冨岡久美子さん

 浜口優花さん

 倉田珠衣さん

その後、民謡メドレーが繰り広げられました。「秋田おばこ節」「秋田草刈唄」「新庄節」「生保内節」「真室川音頭」「外山節」がメドレー形式で披露されました。唄い手はもちろんですが、小田島一門の演奏技術にも惚れ惚れしてしまいます。
その次には三味線の合奏がされました。「起承転結2020」という曲でしたが、こちらも圧巻のバチさばきと迫力、盛り上がりのたびに大きな拍手が送られました。

その後も、「南外小唄」「秋田おはら節」「秋田飴売り節」「秋田船方節」「秋田長持ち唄」と続き、最後は「ドンパン節」で締めくくられました。
1時間ほどの民謡披露でしたが、新年早々にこんなに贅沢に民謡を聴けて、自分の今年一年の幸運を予感してしまいました。
相野集落の皆さん、今回は素晴らしい企画をありがとうございました。自治会が主導して、地域を元気にしようという取り組みは、太田支所としても頼もしい限りです。太田らしい「人の良さ」と「民謡の良さ」を存分に発揮した「応援する会」だったと思います。
今年一年、相野集落がますます活気づくよう、そして民謡3人娘さんがますますご活躍されることを、太田支所からも祈願しております。よい一年になりますように。