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秋田県大仙市公式ブログ

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紙風船に願いをこめて

2月3日(土)開催の太田の火まつりに向けて、なんとなく気忙しい太田地域。
今年は例年より2週間早く開催されるため、各集落会や学校なども準備に早く取り掛かっています。
太田支所でも、毎年職員による紙風船づくりを行っていますが、今年は例年より早く1月17日・18日の二日間で作成しました。太田支所の職員であっても、太田地域出身者は3分の1ほどの人数しかいません。毎年の紙風船づくりは、地域の伝統を継承していく意味も込めて、当日のイベント運営だけでなく、受け継がれている技や想いを知るいい機会と考えています。
「太田の火まつり」は、地域に伝わる大切な小正月行事をさらに後世に伝承しようとはじまったものです。
そもそも火をたく年中行事は、私たち日本人の生活の中に古くから伝承されています。火は命の象徴であり、神霊を招く目印であり、いっさいを焼き尽くして浄化するなど、日本人の心の中でもさまざまな意味を思っています。
また、年神様や先祖をお迎えしてお祝いする大正月(元旦)に対し、小正月(現在の2月中旬)の時期には、豊作や地域の安泰、家族の無病息災などを祈る時期とされています。
太田地域で行われてきた天筆焼きや紙風船上げは、まさしく火をたく小正月行事、命の象徴である火をたき地域の安泰を願うことにこそ意義があったのではと思います。
その意義を感じながら、今年太田支所の紙風船には「祈 大仙市大雨災害早期復興」と願いをこめました。これは、昨年7月の大雨により大仙市が大きな被害をうけたことへの復興祈願です。
今年は職員と一緒に、東部新規就農者研修施設の研修生3名、そして地域おこし協力隊の渡邉衣里さんが参加してくれました。大雨の時のエピソードを語りながら、イラストの色塗りを担当してもらいました。DSC_3229DSC_3222今後就農を考えている研修生にとっても、大雨で被害を受けた農地への思いは格別。早期の復興を願うことと自らも災害に負けない強い農家になりたいと語ってくれました。今回参加してくださった研修生の3名は、みなさん太田地域出身、紙風船づくりは小学生以来という方と高校生以来という方。若い世代が地域の小正月行事に携わる姿は、気持ちのいいものです。「火まつりの実行委員も頼むよ!」と気合をかけられると「いいですよ」と即答。ノリなのかな?本気にしてもいいのかな?まずは楽しく参加してもらえたことは感じました。一つの目的に向かって、みんなで一緒に取り組むことは大人になっても楽しいものです。DSC_3253地域おこし協力隊の衣里さんは、二日間もお手伝いしてくださいました。下絵から色塗りそして紙風船づくりの一番の難所、貼りあわせの瞬間には、主要な部分ののりづけを率先して行ってくださいました。DSC_3271貼りあわせ風船の形になったところに熱風を入れ、膨らんだ中に衣里さんが入ると、まぁ一段とキュート♪IMG_2575こうして完成した紙風船、今年は一段と願いをこめた力作となりました。

紙風船づくりの手順や技ももちろん受け継ぐものですが、紙風船にこめる想いや願いも受け継いでいきたいと改めて思いました。火まつりの当日は天高く舞いあがり、紙風船にこめた願いが成就しますように☆
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。当日会場でお待ちしていますよ!

受け継がれていく八坂神社ぼんでん奉納

小正月行事の八坂神社ぼんでん奉納が1月14日(日)大仙市清水地区の八坂神社で行われました。hairu

清水地区梵天保存会のみなさんが地元の清水小学校の児童へ「ぼんでん唄」を継承しています。この日は清水小学校の全校児童も参加してぼんでん奉納を行います。

ぼんでんは祝い事など縁起の良いものです。当日は朝早くから小学校周辺の郵便局や商店などをめぐり、「商売繁盛」「五穀豊穣」のぼんでん唄を披露します。

tateuta荒々しい喧嘩ぼんでんとして知られる八坂神社ぼんでん奉納は、大人も子供も関係ありません。勢いよく奉納しないと何度も何度も押し返されて自分たちのぼんでんは奉納できません。

「もっと、元気よくーーー!!」大人たちの怒号が響き渡ります。

何度か押し返される中で、大人衆の妨害を乗り越えて、乗り越えて、乗り越えて。

osiaihounou 大人衆ともみ合いながらよ〜やく奉納しました。

 

otonaosu小学生のぼんでん奉納が終わると、いよいよです!!!!!

集落の家々をまわったそれぞれのぼんでんが、半纏を身にまとった男衆に担ぎ上げられて、湧き泉(わきみず)の中でも熱気を帯びた歓声とほら貝の音。

ikeikenonakanandeike清水の子供たちは、清水地区梵天保存会のみなさんから教わったぼんでん唄を、唄い継ぎ、こうして会場で熱気ある大人衆のぼんでん奉納を見て育つ。

自分たちが大人になった時。

子供たちのぼんでん奉納を妨害し、けんかぼんでんの熱意を魅せる。

またひとつ歴史を引き継ぐ。

そしてまた、子供たちが大人になって・・・

そしてまた・・・

450年の歴史ある八坂神社ぼんでん奉納。

 

 

こうして歴史が続く瞬間に立ち会えたことを、嬉しく思う1日となりました。

hadaka