11月19日(土)、太田文化プラザを会場に初開催となる民謡「秋田おはら節」講習会が行われました。
講習会の主催は、毎年行われている民謡「秋田おはら節」全国大会で伴奏をしてくださっている「太田町民謡同好会」。誰もよりも近くで誰よりも多く「秋田おはら節」を聞き続けた皆さんが、今回の講習の開催に一役買ってくださいました。
民謡は、その土地の風俗や人々の暮らしを表現し、古くから唄い継がれた大衆文化であり、時代時代において生活に潤いと活力を与えてきました。
とりわけ「秋田おはら節」は第一級の名調として知られており、哀調を帯びた独特の節回しは、多くの民謡愛好家を魅了してきました。
この唄は、昭和初期、日本三大おはら節の一つである「津軽小原節」を唄う芸人たちが、その低音部分を見せ場にして唄ったことから始まったものと言われています。
大仙市では、太田地域出身の髙橋節子さんが、昭和62年にNNS日本民謡大賞でこの唄を唄って日本一に輝いたのを縁に、秋田おはら節を「故郷の唄」として広く市民に親しんでもらうとともに、この唄を永く継承させることを目指し、毎年「民謡「秋田おはら節」全国大会」を開催しています。
しかしながら、大会の出場者が減少傾向にあり、将来の大会開催が心配されることから、秋田おはら節の正しい普及と次世代の愛好者を育む取り組みとして、講習会を開催することとしました。
講習会当日は、30名の募集に対して51名もの方に参加していただきました。地元の愛好者だけではなく、秋田市や由利本荘市、お隣の岩手県から参加された方もいらっしゃいました。
講師は秋田県民謡協会理事長の王藤正蔵氏。伴奏は太田町民謡同好会の皆さん。
歌詞に込められた意味を考えながら唄うこと、ただ唄うのではなく、一つ一つの言葉に気持ちを込めて唄うこと、言葉のつながりや流れを大事にしてリズムで唄うこと、無駄なこぶしは使わないことなど、一節一節の細かな歌い方のポイントを、身振り手振りを交えて分かりやすく指導していました。
来年度の「秋田おはら節」全国大会は9月2日(土)に開催予定です。
今回の講習会に参加された皆さんには、ぜひ出場いただき、講習で身に付けた技術を存分に披露していただければと思います。そして、「故郷の唄」の継承者として、「秋田おはら節」をこれからも唄い継いでいってもらえたらと思います。