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秋田県大仙市公式ブログ

転作現地確認が行われました

太田地域では、6月1日から8日まで転作の現地確認が行われました。

国では平成25年11月26日に、行政によるコメの生産数量目標の配分を平成29年産をもって廃止すると発表しています。

 

今年度の転作現地確認の作業に同行しました。

最初に各集落の推進員と一.緒に、あらかじめ農家から提出された営農計画書を見て、転作の実施状況を確認します。DSC_1407

 

次に、営農計画書どおりの作物が植えられているか、調整水田の面積は適正かなどを現地で確認します。DSC_1414DSC_1415DSC_1419

この日は、どの農家も申告どおりの転作を実施していることを確認しました。

戦後、コメは大幅な不足状態にあり、国ではコメの増産政策を進めました。やがてコメの需要量は食生活の変化などによって減少し、コメの生産調整が昭和45年度から行われてきました(46年度から本格実施)。

昭和45年度と今年度の太田地域の生産調整の状況は次のとおりです。

昭和45年度
生産調整目標数量 882.3トン(14,705俵)
生産調整目標面積 182.7ヘクタール(平均反収483kg換算)
            ⇒ 生産調整率7.6%
減反面積の内訳  転作48.6%
            (大小豆64.2ha、飼料作物32.4ha、そ菜5.6ha、養魚1.9ha)
            休耕45.6%、通年施行(ほ場整備)5.8%

平成29年度
生産調整目標数量 6235.3トン(103,921俵)
生産調整目標面積 1069.5ヘクタール(平均反収583kg換算)
            ⇒ 生産調整率43.3%
減反面積の内訳  転作68.9%
(5月31日集計値)(大豆338.6ha、飼料作物107.6ha、枝豆71.4ha
             そば76.4ha、自家野菜57.5ha)
             その他(保全管理含)21.4%、通年施行(ほ場整備)9.7%

※「目標面積」は平成15年度以前は減反面積で示してきたが、16年度以降は作付できる面積と変更されている。実際には、平成29年度の生産数量目標は8308.5トン、主食用水稲作付目標面積は1425.1haと示されているが、昭和45年度と比較するため、あえて減反対象となる数字を算出し表記している。

昭和45年のコメの消費量は、一人1年あたり95.1kgでした。平成27年は54.6kg(農林水産省「食料需給表」から)と45年間で半分近くまで減少しています。
消費量が少なくなる一方で、コメの生産は栽培技術の向上や品種改良などもあって、反収(10アール当たりの平均収量)が増加しており、生産調整率は約6倍になっています。

生産調整政策は、当初は緊急的なコメ生産抑制策として始められましたが、その後、中長期的な水田農業の構造的な対策として現在まで行われてきました。
昭和46年当初は「水田総合利用対策」と銘打ち始まった政策も、「水田利用再編対策」「営農活性化対策」「生産調整推進対策」「農業構造改革対策」「農業者戸別所得補償制度」「経営所得安定政策」などと数年ごとに名称が変わり、その変遷からも国の葛藤や慎重さが見て取れます。

太田地域では、その揺れ動く時代の中でも、減反というマイナスのイメージを、むしろプラスに変え、前向きな転作を実践してきました。太田地域の稲作にだけ頼らない姿勢は、秋田おばこ農協管内での園芸作物販売額トップという実績にも表れています。昨年度は太田地域の「花き部会」が販売額1億円を達成したほか、秋田県一の枝豆の産地として「枝豆部会」では毎年1億円越えの販売実績を誇っています。JA全農あきたは、中央卸売市場への枝豆出荷量で日本一を実現しており、まさしく太田はそのけん引役を担っています。
時代の流れに合わせ、農地を守り田畑を耕してきた農家の皆さんに、感謝と強さを感じます。

現地確認では、来年以降、どうなるのか…といった不安を口にした農家の方がいました。

コメの消費量が減ったとはいえ、日本人は1日のエネルギーの4分の1をコメからとっています。農家のみなさんは、安全でおいしいコメを生産しようと頑張っています。

農家の皆さんのこれまでの努力を無駄にしないよう、ご飯(コメ)を積極的に食べようと思った1日でした。

Posted under: 太田地域

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