ふるさとこんにちは

秋田県大仙市公式ブログ

大台から水田を眺めて

田んぼに水が入り、田植えが始まっています。
大台スキー場から仙北平野を望むとき、この時期の水を張った田んぼが個人的には一番好きです。仙北平野は四季折々に、

春は鏡のように見え、

夏は緑の海に見え、

秋は黄金色の絨毯に見え、

冬は白と黒のモノトーンで生クリームにチョコチップをちりばめたように見えます。
チョコチップももちろん好きなのですが、この時期の水をたたえて鏡のように見える風景に一番心を動かされるのは、これから作付が始まる風景から生命力や希望を感じるせいではないかなと思います。

作付のスタートの風景を眺めながら、仙北平野で暮らす私たちの生活を、ここまで豊かにしてくれたのは、先人たちの土地改良事業によるものと想いを馳せます。

5月20日18:00頃

 

5月20日18:30頃

かつて太田は県内でも最も米取りの低い地区であったといいます。昭和30年代、何をおいても食糧増産の時代、米取りが悪いことから土壌調査を行ったところ「Pan(パン:鉄の還元層)ができている」ことがわかりました。生産性の高い農地にするためには、農地を掘り起しPanを取り除き、水不足を解消し、区画を整理する必要がありました。昭和30年、合併により新村が発足し策定された建設計画に基づき、全国で初めて村営土地改良事業に取り組みました。昭和33年度に事業採択されてから足掛け15年かけ、不整形田を整理拡大し、原始的な用排水路を全面的に改廃、用排水系統を整備するとともに、農道網の整備を図りました。先祖伝来の農地が動くというのは初めての体験であったため反対者も多かったのですが、事業の進捗とともに反当6俵から10俵に増え経済効果が倍増したことから理解を得ることができたそうです。また、国営及び県営事業により導水路の整備が図られ、田沢疏水や第二田沢幹線用水路、そして仙北平野一号幹線用水路が整備されました。水源はいずれも玉川、仙北平野を三本の水路が「川」の字を描くように縦断し、米どころ秋田の最大穀倉地帯を支える水脈となっています。
膨大な資金と労力を費やし、時にあった政策を練り上げ実行してきた先人たちの努力により、今の私たちの豊かな生活はあるのだと実感します。

四季折々の表情を見せる仙北平野を大台スキー場から眺める時、この豊かで美しい風景を作り上げてきた先人たちの努力に感謝を忘れてはいけない気がします。
そして現在を生きる私たちは、この風景・農地を守り続けていかなければいけませんね。
大台スキー場のパノラマロードを登ったら「風景」とともに「愛郷心」を楽しんでもらえたら嬉しいです。
ちなみに、がっつり晴れた日はむしろガスがかかることがあります。よりクリアに仙北平野を見渡したいときは、雨上がりの後のすきっと晴れた日が一番おススメですよ。

Posted under: 太田地域

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